住宅ローン控除の対象とならない借入金利率を引下げ

住宅ローン控除(住宅借入金等を有する場合の所得税額の特別控除)の適用要件のうち、適用金利について、勤務先からの融資等は利率が1.0%未満のものは対象とはならない。金利が1.0%未満であると、会社から利子補給を受けているとみなされるためだが、2017年度税制改正では、住宅ローン金利が最低水準となっていることを受け、その適用対象とならない勤務先等からの借入金利率を、現行の1%未満から0.2%未満に引き下げる。

この見直しは、税制改正法成立後に適用対象とならない借入金利率を規定している財務省令を改正し、本年1月1日以後に自己の居住用として住む場合に適用することになる。特定の増改築等に係る住宅借入金等を有する場合の所得税額の特別控除の控除額の特例についても変更後の基準利率を適用する。ところで、会社員が、勤務先の会社から住宅取得資金を借りた場合でも住宅ローン控除の対象となる。

ただし、その借入金に返済利息がない場合や、利息の利率が基準利率未満の場合は、その借入金は住宅ローン控除の対象とならないこととされている。基準利率は、政令で住宅金融支援機構や銀行の住宅ローンの金利水準を勘案して財務省令で定める利率と規定されており、現行は省令で年1%と定めている。前回の基準利率変更は、1999年度税制改正で3%から1%に引き下げられていることから、今回は18年ぶりの見直しとなる。

2月現在の住宅金融支援機構のフラット35の金利は、取扱金融機関の提供する金利で最も多い金利が、返済期間20年以下で融資率9割以下の場合0.990%、融資率9割超の場合1.430%となっている。ただし、基準金利未満で住宅ローン控除の対象とならないのは、あくまでも社内貸付等を利用した場合で、金融機関等から借りた場合は金利制限がない。なお、親、兄弟や知人からの借入は住宅ローン控除の対象とはならないので注意したい。