2022-03-16
生命保険契約の満期や解約により保険金を受け取った場合には、保険料の負担者、保険金受取人が誰であるかにより、所得税、贈与税のいずれかの課税の対象になる。なお、一時払養老保険等で保険期間等が5年以下のもの及び保険期間等が5年超で5年以内に解約されたものは、源泉分離課税が適用され、一律20.315パーセント(所得税15.315パーセント、地方税5パーセント)の税率による源泉徴収だけで課税関係が終了する。
所得税が課税されるのは、保険料の負担者と保険金受取人とが同一人の場合。この場合の満期保険金等は、受取の方法により、一時所得又は雑所得として課税される。満期保険金等を一時金で受領した場合には、一時所得になる。一時所得の金額は、その満期保険金等以外に他の一時所得がないとすれば、受け取った保険金の総額から既に払い込んだ保険料又は掛金の額を差し引き、さらに一時所得の特別控除額50万円を差し引いた金額となる。
一時所得の課税の対象になるのは、この金額をさらに2分の1にした金額だ。一方、満期保険金等を年金で受領した場合には、公的年金等以外の雑所得になる。雑所得の金額は、その年中に受け取った年金の額から、その金額に対応する払込保険料または掛金の額を差し引いた金額だ。給与所得などの他の所得の金額と合計して総所得金額を求めた後、納める税額を計算する。なお、年金を受け取る際には、原則として所得税が源泉徴収される。
贈与税が課税されるのは、保険料の負担者と保険金の受取人が異なる場合だ。保険料の負担者と年金の受取人が異なる場合には、保険料負担者から年金の受取人に対して、年金を受け取る権利が贈与されたものとみなされ、給付事由発生時点で贈与税が課税される。また、満期保険金等を年金で受領する場合には、その支払を受ける年金に係る雑所得の計算は、課税部分と非課税部分に振り分けた上で計算をする。
具体的には、支払を受けた年金について、年金支給初年は全額非課税、2年目以降は課税部分が階段状に増加していく方法により計算する。なお、年金を受け取る際には、原則として所得税が源泉徴収される。また、2013年1月1日以後に支払われる生命保険契約等に基づく年金のうち、その年金の支払を受ける人と保険契約者とが異なる契約等で一定のものに基づく年金については、源泉徴収されないこととされている。