2022-03-17
2021年分所得税等の確定申告の申告・納付期限は原則3月15日に終了したが、前日の14日に国税電子申告・納税システム「e-Tax」の接続障害が発生し、断続的につながりづらい状態となって、未だ障害原因の解明には至っていない。これを受けて国税庁は15日、新型コロナウイルス感染症の影響により期限内申告が困難な場合と同様に、確定申告の期限を個別に延長することで対応することを明らかにした。
同庁は、所得税及び復興特別所得税、贈与税については、3月15日が確定申告の期限であるため、このe-Taxの障害により期限内の申告が困難な場合には、個別に申告期限を延長して、後日提出することができるとした。後日提出する場合は、申告書に「e-Taxの障害による申告・納付期限延長申請」である旨記載してもらう。この方法による延長申請ができる期間については、障害が解消した後に改めて発表するとしている。
個別指定による期限延長手続きの具体的な方法は、確定申告書等作成コーナーを利用してe-Taxで提出する場合は、所得税申告書や贈与税申告書の「送信準備」画面の「特記事項」欄に、また各種会計ソフトを利用してe-Taxで提出する場合は、所得税の申告書等送信票(兼送付書)の特記事項欄に、申告書を書面で提出する場合は、申告書の右上の余白に、それぞれ「e-Taxの障害による申告・納付期限延長申請」と記載してもらう。
これらの簡易な方法による個別延長申請方法は、別途、「災害による申告、納付等の期限延長申請書」を作成して提出する必要はなく、申告書を提出の際に、上記の文言を付記すればいい。そこで気になるのは、個別延長が認められかどうかの確認はどうなるのかということだ。というのも、国税庁の案内でも税務署からは「災害による申告、納付等の期限延長通知書」の送付などの許可通知は行わないこととしているためだ。
国税庁によると、「簡易な方法による個別延長申請」により、申告と同時に延長した場合は、申告書の提出後に、税務署から「災害による申告、納付等の期限延長申請の却下通知書」の送付がない場合には、延長が許可されたこととなるという。個別延長が許可された場合の申告・納付期限は、原則として申告書を提出した日となる。なお、16日午後2時現在、e-Taxの接続障害は解消されていない。