2022-03-24
2022年度税制改正における所得税法等の一部を改正する法律案及び地方税法等の一部を改正する法律案が22日、参院本会議で賛成多数で可決、成立した。両法律案は、別段の定めのあるものを除き、2022年4月1日から施行する。所得税法等の一部を改正する法律案は、成長と分配の好循環の実現に向けた積極的な賃上げ等の促進、カーボンニュートラルの実現等の観点から、国税に関し、所要の改正を一体として行うもの。
その主な内容は、法人課税では、賃上げに係る税制措置を拡充する。大企業等については、現行制度を抜本的に見直し、積極的な賃上げを促す観点から、継続雇用者の給与総額を3%以上増加させた場合に、雇用者全体の給与総額の対前年度増加額の15%の税額控除を行うとともに、賃上げや人材投資(教育訓練費の増加)に積極的な企業に対しては、税額控除率を上乗せし、最大30%を税額控除できる制度とする。
その際、一定規模以上の大企業に対しては、給与の引上げの方針、取引先との適切な関係の構築の方針等を公表していることを要件とする。中小企業においては、積極的な賃上げや人材投資を促す観点から、全雇用者の給与総額を1.5%以上増加させた場合、15%の税額控除(2.5%以上増加の場合(+15%)、教育訓練費を1割以上増加の場合(+10%)、それぞれ控除率を上乗せ)とし、税額控除率を最大40%に引き上げる。
個人所得課税では、住宅ローン控除について、適用期限を延長し、2025年末までの入居者を対象とするとともに、省エネ性能等の高い認定住宅等につき、新築住宅等・既存住宅ともに、借入限度額の上乗せを行う。控除率は0.7%とするとともに、所得要件を2000万円とする等の見直しを行う。資産課税では、住宅取得等資金に係る贈与税の非課税措置を見直し、限度額を最大1000万円とした上で、2年延長する。
地方税法等の一部を改正する法律案の主な内容は、(1)固定資産税及び都市計画税について、土地に係る負担調整措置を、2022年度に限り、商業地等の課税標準額の上昇幅を評価額の2.5パーセントとする措置を講ずる。(2)法人事業税について、付加価値割における給与等の支給額が増加した場合の特例措置の拡充等を行う。(3)個人住民税について、住宅借入金等特別税額控除の延長等を行う。
「所得税法等の一部を改正する法律案」の概要は↓
https://www.mof.go.jp/about_mof/bills/208diet/st040125g.pdf