お酒の地理的表示(GI)を知っていますか?

国税庁は、HP上に「お酒の地理的表示(GI)を知っていますか?」と題したパンフレットを掲載してその周知を図っている。例えば「シャンパーニュ」と名乗るためには、特定の地域内かつ、一定の基準や品質を満たして生産される必要があることは知っている人も多いと思われる。このように、お酒について、「正しい産地」であることと、「一定の基準」を満たして生産されたことを示すのが「地理的表示(GI)」である。

酒類の地理的表示制度とは、地域の共有財産である「産地名」の適切な使用を促進する制度である。お酒にその産地ならではの特性が確立されており、産地からの申立てに基づき、国税庁長官の指定を受けることで産地名を独占的に名乗ることができる。産地にとっては、地域ブランドの確立による「他の酒類との差別化」、消費者にとっては、一定の品質が確保されていることによる「信頼性の向上」という効果がある。

同制度は、ヨーロッパを中心に、古くから国際貿易の主要品として取引されてきたワインの「原産地呼称制度」が起源だ。不正な産地名の使用を防ぐために、フランスなどのワイン主産国では、産地名を名乗ることができる基準を公的に定め、製造者と消費者双方の利益を確保してきた。また、1995年のWTO(世界貿易機関)の発足に際し、ぶどう酒と蒸留酒の地理的表示の保護が加盟国の義務とされた。

そこで、わが国でも、WTOの設立が合意された1994年に国税庁が制度を制定し、2015年に見直しを行い、すべての酒類が制度の対象となっている。酒類の地理的表示の指定状況は、2022年2月現在で北海道から沖縄まで22産地に及ぶ。酒類区分別にみると、「清酒」が12産地、「ぶどう酒」が5産地、「蒸留酒(焼酎・泡盛)」が4産地、「その他の酒類(リキュール)」が1産地となっている。

この件については↓
https://www.nta.go.jp/publication/pamph/sake/07.pdf