1月から適用されている加算税の加重措置に注意!

2017年1月1日以後の法定申告期限が到来する国税から、加算税の賦課割合の変更とともに、加算税の加重措置が創設されている。これは、無申告又は仮装・隠ぺいに基づく期限後申告等をした場合、そこから過去5年以内に同一税目について無申告加算税又は重加算税の賦課決定がされていれば、新たに受ける無申告加算税又は重加算税の額は、その期限後申告等に基づいて納付すべき税額に10%を乗じて計算した金額が加算されるというもの。

要するに、短期間に繰り返して無申告又は仮装・隠ぺいが行われた場合には10%加重されるが、そこで注意したいのは、この繰り返しとされる1回目と2回目のカウントだ。2回目については、2017年1月1日以後に申告期限が到来する国税が対象となるため、2017年1月1日以後に期限後申告等を行ったとしても、その期限後申告に係る国税の法定申告期限が2017年1月1日より前であれば、2回目としてカウントされることはない。

一方で、期限後申告等があった日が加重措置適用の判定の基準日となるため、基準日から遡って5年以内に無申告加算税又は重加算税が課されたことがあるか否かの判定においては、2016年12月31日以前に法定申告期限等が到来した国税に係る期限後申告等に基づき課された加算税を含めて判定される。つまり、1回目については、2017年1月1日より前の法定申告期限到来分だとしても、カウントされることになる。

そこで、この加算税の加重措置のカウントで注意しなければならないのは連結法人だ。連結納税制度では、連結グループを一つの納税主体として、連結親法人が連結所得に対する法人税を申告納付することになるから、親法人も子法人も含めてグループ全体で2回繰り返し仮装・隠ぺいに係る重加算税等を課された場合には、この加重措置が適用される。複数の連結子会社が賦課決定されれば、それだけで加重措置が適用されてしまう。

連結子法人数が多ければ多いほど、無申告加算税等を課されるリスクがあるため、グループ全体の管理体制のより一層の強化が求められるといえる。一方で、グループ法人は、納税主体がそれぞれ異なるため、仮にグループ全体で2回繰り返し仮装・隠ぺい等に係る重加算税等の賦課が行われた場合でも、それぞれの納税主体で2回行われたか否かで加重措置の適用が判断されることになる。