2021年度企業版ふるさと納税の寄附件数・金額が大幅増加

内閣府がこのほど公表した「地方創生応援税制(企業版ふるさと納税)」の2021年度寄附実績によると、同年度の企業版ふるさと納税の寄附件数は4922件(前年度2249件)で、その寄附金額は225億7500万円(同110億1100万円)となり、前年度に比べて件数で約2.2倍、金額で約2.1倍と大幅に増加した。2020年度税制改正での税額控除割合の引上げ等の効果が表れているようだ。

また、寄附を行った企業数も3098企業(前年度1640企業)と、前年度に比べて約1.9倍増加して3000企業を超え、寄附税制の裾野が確実に広がっている。寄附受入額が多い地方公共団体をみると、「静岡県裾野市」17億4410万円、「群馬県太田市」10億3660万円、「徳島県神山町」9億9900万円が上位3位。都道府県別に寄附額をみると、「北海道」(38.9億円)、「静岡県」(19.7億円)、「群馬県」(17.1億円)の順に多い。

一方、寄附を受領した地方公共団体の数は956団体となり、前年度比1.8倍に増加。この結果、制度開始の2016年度から2021年度までの6年間に1回以上寄附を受領し本制度を活用した団体は1028地方公共団体に達している。また、寄附を活用した事業の分野別実績額をみると、地域産業振興、観光振興、農林水産振興、ローカルイノベーション、人材の育成・確保等の「しごと創生」が120億9710万円で最も多い。

次いで、小さな拠点、コンパクトシティなどの「まちづくり」が74億8250万円、移住・定住の促進、生涯活躍のまち等の「地方への人の流れ」が16億2310万円などだった。なお、企業版ふるさと納税の仕組みを活用して、専門的知識・ノウハウを有する企業の人材の地方公共団体等への派遣を行う「企業版ふるさと納税(人材派遣型)」について、2021年度は10の地方公共団体が活用している。

企業版ふるさと納税は、地方公共団体が行う地方創生の取組みに対する企業の寄附について法人関係税を税額控除するもの。企業が寄附しやすいように、損金算入による軽減効果に税額控除による軽減効果を上乗せし、寄附額の下限は10万円と低めに設定。寄附企業への経済的な見返りは禁止され、寄附額は事業費の範囲内とすることが必要だ。不交付団体である東京都、不交付団体で三大都市圏の既成市街地等に所在する市区町村は対象外だ。

この件については↓
https://www.chisou.go.jp/tiiki/tiikisaisei/pdf/R03_keinen_zisseki.pdf