2022-09-05
国税庁が8月31日に発表した2023年度機構・定員要求によると、同年度の定員要求については、消費税不正還付や国際的な租税回避、インボイス制度の円滑な導入などへの各対応の観点から、1192人の増員要求を行った。一方で、2023年度の国税庁の定員合理化目標数が1141人とされており、差し引き51人の純増要求数となった。定員が純増となるのは7年連続。この結果、要求が通れば2023年度の定員は5万6020人となる。
主な機構要求をみると、税務行政のデジタル化への対応のため、国税庁に審議官を増設、東京局に情報システム部(仮称)を新設。新たな国際課税ルールへの対応のため、国税庁に国際企画官、国税局に課長補佐を増設。消費税不正還付への対応のため、東京局に特別国税徴収官、税務署に消費税専門官を増設。経済取引のグローバル化・デジタル化等による調査・徴収事務の複雑化等への対応として、国税庁・国税局に課長補佐を増設など。
審理体制の充実のため、沖縄国税事務所に審理官(仮称)を新設、税務署に審理専門官を増設。日本産酒類の振興への対応のため、国税局に酒類業振興専門官を増設。業務センター室拡充への対応のため、東京・名古屋・大阪など7国税局に統括国税管理官を、国税局に主任国税管理官をそれぞれ増設する。そのほか、再任用短時間勤務職員用ポストとして、税務署に特別国税調査官を増設する。
また、国税庁が同日に公表した2023年度予算概算要求額によると、緊縮財政の中で税務行政といえども必要経費を十分に確保することは難しいなか、2023年度は、2022年度当初予算額に比べ4.8%増の約6555億円を求めた。国全体の歳出削減が厳しく求められるなかで、税務行政の一層の適正な執行を確保し、適正・公平な課税の実現や歳入確保の要請に応えるためのギリギリの要求ということになる。
機構・定員要求は↓
https://www.nta.go.jp/information/release/kokuzeicho/2022/teiin_kiko/index.htm
国税庁関係予算概算要求額は↓
https://www.nta.go.jp/information/release/kokuzeicho/2022/yosan_gaisan/index.htm