適正解体された使用済自動車に自動車重量税を還付

使用済自動車の再資源化等に関する法律(自動車リサイクル法)に基づいて使用済自動車が適正に解体された場合、申請により車検残存期間に相当する自動車重量税額が還付される廃車還付制度というものがある。還付の条件は、(1)解体を事由とする永久抹消登録申請書または解体届出書を運輸支局等に提出すると同時に還付申請書を提出したものであること、(2)車検残存期間が1ヵ月以上あることだ。

還付申請は、使用済自動車の最終所有者が、リサイクルのためにディーラーなどの引取業者へその使用済自動車を引き渡し、その後、引取業者から使用済自動車が解体された旨の連絡を受けた後に行う。具体的には、「解体を事由とする永久抹消登録申請」や「解体届出」の手続きの際に、永久抹消登録申請書や解体届出書と一体となった様式の還付申請書に、還付申請に係る必要事項を記載の上、運輸支局等の窓口へ提出することによって行う。

これは、申請者の負担軽減の観点から、自動車の登録抹消手続きと税の還付手続きを一括して行うこととしているもので、還付申請書は、運輸支局等における所要の手続きが完了した後に、運輸支局等から所轄税務署に引き継がれる。この「手続き」により引き継がれた還付申請書は、所轄税務署において、還付金の支払いを適正に行うための審査など、所要の手続きが的確に行われる。

そのため、還付申請書が運輸支局等の窓口に提出されてから、所轄税務署長により還付金が支払われるまでにおおむね2ヵ月半程度かかることに留意する必要がある。なお、2016年4月1日以後に発生した自然災害により被害を受けて廃車となった被災自動車に係る自動車重量税の取扱いに関しては、別途「自然災害により自動車に被害を受けた場合の自動車重量税の還付制度」が設けられている。

2016年4月1日以後に発生した自然災害により自動車検査証の有効期間内に被害を受けて廃車となった被災自動車の所有者は、運輸支局や軽自動車検査協会事務所において自動車の永久抹消登録または滅失・解体の届出の手続きを行い、自動車重量税の還付申請書を提出すれば、車検残存期間に応じた自動車重量税の還付が受けられる。還付申請書は、その自然災害の発生した日から5年以内に提出する必要がある。