2021年分民間平均給与は3年ぶり増加の443万円

国税庁が公表した「2021年分民間給与実態統計調査」結果によると、2021年1年間を通して民間企業に勤めた給与所得者の平均給与は443万円で、前年に比べ2.4%増加した。平均給与は3年ぶりの増加で、新型コロナ感染拡大前の水準に回復した。2021年12月31日現在の給与所得者数は、前年に比べほぼ横ばいの5931万人。給与総額は225兆4195億円(前年比2.8%増)、所得税額は11兆1870億円(同8.2%増)だった。

給与所得者のうち、1年を通じて勤務した給与所得者数は、前年比0.5%増の5270万人(正規3588万人、非正規1271万人)となり、2年ぶりの増加となった。その平均給与443万円の内訳は、平均給料・手当が同2.2%増の377万円と2年連続の増加、賞与は同3.1%増の67万円と2年ぶりに増加した。平均給料・手当に対する平均賞与の割合は前年から0.2ポイント増の17.7%となった。

男女別の平均給与は、男性(平均年齢46.9歳、平均勤続年数14.2年)が前年比2.3%増の545万円、女性(同46.8歳、10.4年)は前年から同3.2%増の302万円となり、調査を開始した1978年以降で初めて300万円を超え最高額となった。また、正規、非正規別にみると、1人当たりの平均給与は、正規が同2.6%増の508万円、非正規は同12.1%増の198万円と増加したが、2.6倍の差がある。

また、1年を通じて勤務した給与所得者5270万人のうち、源泉徴収により所得税を納税している人は全体の85.6%(前年84.9%)を占める4513万人で、前年より1.4%増加した。その納税額(源泉徴収税額)は11兆6273億円で、納税者の給与総額に占める税額の割合は5.32%(前年5.07%)、納税額は前年に比べ8.5%増加している。給与総額全体に占める税額の割合は4.98%(同4.72%)だった。

なお、1年を通じて勤務した給与所得者5270万人のうち、年末調整を行った人は全体の92.9%に当たる4894万人(前年比0.8%増)。このうち、配偶者控除又は扶養控除の適用を受けた人は同28.6%の 1399 万人(同▲1.0%)で、扶養人員のある人1人当たりの平均扶養人員は 1.44 人(前年1.46人)だった。また、配偶者控除のある人と配偶者控除のない人ともに、扶養人員1人の人がそれぞれ67.4%、68.2%で最も多くなっている。

同実態統計調査結果は↓
https://www.nta.go.jp/publication/statistics/kokuzeicho/minkan2021/pdf/002.pdf