2017-04-14
国税庁は10日、2017年度税制改正において災害に関する税制上の対応が講じられたことを受けて、租税特別措置法に規定する特定土地等及び特定株式等については、その取得のときの時価によらず、特定非常災害の発生直後の価額によることができることとされたことから、2016年熊本地震に係る特定非常災害の発生直後の価額を求めるための「調整率」を定め、これを同庁ホームページに公開予定であることを明らかにした。
2017年度税制改正では、これまでの災害減免法等の規定に加え、災害に対応するための税制上の規定を常設化。この改正によって、「特定土地等及び特定株式等に係る相続税の課税価格の計算の特例」(租税特別措置法第69条の6)、「特定土地等及び特定株式等に係る贈与税の課税価格の計算の特例」(同法69条の7)、「相続税及び贈与税の申告書の提出期限の特例」(同法第69条の8)が創設され、2016年熊本地震へ適用することとされた。
2016年熊本地震において、特定非常災害の発生直後の価額によることができる土地等(土地及び土地の上に存する権利)は、(1)2015年6月14日から2016年4月13日までの間に相続又は遺贈により取得した土地等、(2)2016年1月1日から同年4月13日までの間に贈与により取得した土地等で、2016年4月14日に所有していたもののうち、「熊本県(全域)及び大分県由布市」内にあるもの(特定土地等)となる。
国税庁が公表予定の「調整率」を適用して財産の評価をした結果、申告書記載の課税価格又は税額が減少する場合は、「更正の請求」をすることができる。相続税については、相続人等のうちに租税特別措置法第69条の6の適用を受けられる人がいる場合には、その相続人等全員の申告期限が2017年2月14日まで延長される。したがって、この場合の「更正の請求」の期間は、この延長後の申告期限から5年間(2022年2月14日まで)となる。
また、2016年分の贈与税については、租税特別措置法第69条の7の適用の有無にかかわらず、2017年3月15日が法定申告期限となる。したがって、この場合の「更正の請求」の期間は、法定申告期限(2017年3月15日)から6年間(2023年3月15日まで)となる。なお、「調整率」の公開日時については、現時点では未定だが、正式に決まり次第、改めて国税庁ホームページで公表するとしている。
この件は↓
http://www.nta.go.jp/sonota/sonota/osirase/zouyo_keisan.pdf