印紙税非課税となる「営業に関しない受取書」とは?

印紙税は、文書の種類ごとに非課税となる文書が定められており、第17号文書に規定する売上代金に係る金銭又は有価証券の受取書であれば、営業に関しない受取書又は受取金額が5万円未満のものは非課税とされている。金銭又は有価証券の受取書であっても、受け取った金銭などがその受取人にとって営業に関しないものである場合には、非課税となる。では、ここにいう「営業」とはどういうものをいうのだろうか。

営業というのは、一般に、利益を得る目的で、同種の行為を継続的、反復的に行うことをいう。したがって、株式会社などの営利法人の行為は全て営業に関するものであることから、会社が作成する受取書については、本業の売上代金に係る受取書だけでなく、保有する土地を売却するなど、本業以外で得た売上代金に係る受取書についても、営業に関しない受取書とは言えず、受取金額が5万円以上であれば、印紙を貼る必要がある。

一方、個人の場合は、たまたま自宅を売却するなど私的日常生活に関して得た売上代金に係る受取書は、営業に関しない受取書に該当する。ただし、例えば、土地を貸したり、ネットオークションに品物を出品したりして、継続的・反復的に利益を得ている場合には、これは営業そのものに該当するため、その売上代金に係る受取書は、営業に関しない受取書とは言えず、非課税文書には該当しないことになる。

また、一般に営業に当たらないと解されている医師や歯科医師、弁護士、公認会計士、税理士などの自由職業者が、その業務に関して作成する受取書は、営業に関しないものとして非課税文書になる。同様に、一般に営業に当たらないと解されている、店舗その他これらの設備を有しない農業、林業又は漁業を行っている者が、自分の生産物を販売するなどに関して作成する受取書は非課税文書となる。