2023-01-20
東京商工リサーチ（ＴＳＲ）の調査によると、2022年12月末のインボイス登録件数は約200万件に達し、法人と個人事業主を合わせた登録率は51.5％と半数を上回った。法人は、登録率が8割を超えたが、12月の月間登録数は前月から20.2％減少し、法人の登録数のピークは超えたようだ。一方、個人事業主は23.7％と低水準が続いている。調査は、国税庁の適格請求書発行事業者サイトの公表データを基に、ＴＳＲが独自に分析したもの。
国税庁によると、インボイス登録事業者のうち、2022年12月末の登録数（人格のない社団等2297件を除く）は198万7348件だった。総務省「2016年経済センサス」に基づく法人数は187万7438件で、法人の登録数は151万7844件を基に算出すると、登録率は80.8％と8割超となった。個人事業主の数は197万9019件で、登録数は46万9504件で、登録率は23.7％にとどまっている。
2022年12月末の法人の登録率は80.8％に達したが、12月の月次登録数（16万8227件）は7月以来、5ヵ月ぶりに前月（21万1075件）を割り込んだ。個人事業主は12月に月間登録数の最多を更新したが、登録率は23.7％にとどまる。インボイス制度に登録しない免税事業者もあり、法人に比べ登録率は低くなりがちだが、様々な負担増や手続きの煩雑さなどを嫌い登録に慎重な姿勢を続ける個人事業主が多いとみられる。
都道府県別では、法人登録数の最多は「東京都」の27万9252件。一方で、最少は「鳥取県」の5841件だった。東京都の登録率は2016年の「経済センサス」に基づく企業数を上回り、102.7％に達した。東京都では年間4万社の新設法人が生まれている。登録率の2位は「大阪府」で87.7％、3位が「千葉県」の84.3％と続く。一方、最低は「島根県」の65.2％、次いで「秋田県」の65.9％、「長崎県」と「徳島県」の各67.0％が続く。
2022年12月に閣議決定された「2023年度税制改正大綱」で、申請期限の3月31日を過ぎても9月30日までの申請は制度開始の10月1日を登録開始日とするなど負担軽減の方針が示された。12月にＴＳＲが実施したアンケート調査では、インボイス制度に登録しない免税事業者と「取引しない」と回答した企業が10.2％と1割を上回り、登録が遅れる個人事業主は、負担増か取引継続か、残された時間で難しい選択を迫られている。
同調査結果は↓
https://www.tsr-net.co.jp/news/analysis/20230116_3.html
