管理不全空き家に対し固定資産税の住宅用地特例解除

空家等対策特別措置法の一部改正案が国会に提出されている。これは、周囲に著しい悪影響を及ぼす「特定空家」になる前の段階から空き家の適切な管理をすることにより特定空家化を未然に防止するため、そのまま放置すれば特定空家になるおそれのある空き家を「管理不全空家」に認定し、特定空家化防止のために必要な措置を市区町村が指導、指導後も改善されなければ勧告できる規定を盛り込んだもの。

これに伴い、地方税法を改正し、勧告された場合には固定資産税の住宅用地特例を解除する。特定空家の前段階で固定資産税の特例除外を導入することで空き家の管理を促す狙い。親の死亡等により相続した空き家が老朽化しても、とくに活用する見込みがなければ、取り壊す費用や固定資産税の特例の対象外になることなどを考慮して放置するケースが増え、周囲に悪影響を及ぼす空き家の増加につながっている。

この空き家問題の対策として設けられているのが特定空家の制度で、倒壊の危険や衛生上有害、著しく景観を損なう、周辺の生活環境の保全を図るために放置することが不適切、などの状態にある空き家を「特定空家」と認定し、特定空家に対し市区町村から勧告がされると固定資産税の住宅用地特例が不適用になり、さらに措置が進むと行政代執行により空き家の除却が行われる。

固定資産税の住宅用地特例は、課税標準額を、200平方メートル以下の小規模住宅用地部分については価格の6分の1に、200平方メートルを超える一般住宅用地部分については価格の3分の1とする税負担軽減措置。ただし、住宅用地として扱うためには、住宅の敷地として使用されている必要があるため、敷地に建っている家を取り壊して更地にした場合は、特例の対象にならない。