新型コロナの影響で納税が困難な場合は猶予制度を!

2022年分の所得税の確定申告は終了したが、納税が難しい場合は猶予制度がある。国税の猶予制度は、一時に納税をすることで事業の継続や生活が困難となるときや、災害で財産を損失した場合などの特定の事情があるときは、税務署に申請することで、最大1年間、納税が猶予される制度だ。猶予制度には、換価の猶予と納税の猶予があり、納税方法は、猶予の種類により、1年間据え置かれる場合、猶予期間中に分割納付をする場合がある。

換価の猶予は、(1)国税を一時に納付することにより、事業の継続又は生活の維持を困難にするおそれがあると認められる、(2)納税について誠実な意思を有すると認められる、(3)猶予を受けようとする国税以外の国税の滞納がない、場合は、納付すべき国税の納期限から6ヵ月以内に申請することにより、受けることができる。担保の提供が明らかに可能な場合を除いて、原則、担保は不要となる。

既に滞納がある場合や滞納となってから6月を超える場合であっても、税務署長の職権による換価の猶予の適用を受けられる場合もある。猶予が認められると、(1)原則として1年間納税が猶予される(状況に応じて更に1年間猶予される場合がある)、(2)猶予期間中の延滞税が軽減される(通常年8.7%が軽減後、年0.9%(2023年中の利率))、(3)財産の差押えや換価(売却)が猶予されるなどの効果がある。

また、個別の事情に該当する場合は、それぞれの金額について、納税の猶予が認められることがある。例えば、新型コロナウイルス感染症の患者が発生した施設で消毒作業が行われたことにより、備品や棚卸資産を廃棄した場合、それらの再調達価額等に相当する金額や、納税者本人又は生計を同じにする家族が病気にかかった場合、医療費や治療等に付随する費用に相当する金額、などの納税の猶予が認められる。

さらに、納税者が営む事業について、やむを得ず休廃業をした場合に休廃業に関して生じた損失や費用に相当する金額や、納税者が営む事業について、利益の減少等により、著しい損失を受けた場合に受けた損失額に相当する金額、などの納税の猶予が認められる。納税の猶予が認められると、原則1年間納税が猶予、猶予期間中の延滞税が軽減又は免除、財産の差押えや換価(売却)が猶予されるなど、換価の猶予と同様の効果がある。

この件については↓
https://www.nta.go.jp/taxes/nozei/nofu_konnan.htm