税制改正を踏まえたインボイス制度対策小冊子を作成

日本商工会議所はこのほど、消費税インボイス制度(適格請求書保存方式)への具体的な対策等について取りまとめた事業者向け小冊子「今すぐ確認! 中小企業・小規模事業者のためのインボイス制度対策【第3版】」を作成した。第3版は、3月28日に成立した2023年度税制改正で講じられたインボイス制度の負担軽減措置の内容を盛り込んだものになっている。

具体的には、冒頭の「はじめに」において、インボイス登録申請のスケジュールとして、今年10月1日からインボイスを発行するには、原則、今年3月31日までに登録申請を済ませる必要があったが、4月1日以降でも可能となったこと、及び2023度税制改正により今年10月2日以後の日に登録を希望する場合に、登録希望日(申請書提出日から15日以後の日)から登録を受けることが可能となったことが追記されている。

本文では、「Ⅱ免税事業者の対応・課税事業者の対応」項目に「④免税事業者がインボイス発行事業者になる場合の負担軽減措置」として、創設された免税事業者がインボイス発行事業者になる場合の負担軽減を図るため、納税額を売上税額の2割に軽減する経過措置について、同措置はインボイス制度の開始から2026年9月30日の属する課税期間まで適用できる3年間の措置などの説明や、同措置についてのよくある質問が掲載されている。

また、「Ⅳインボイス導入に向けた具体的な対応」項目の「①インボイスの記載事項」に、企業の実務に配慮して事務負担を軽減する観点から、少額な値引き等(税込1万円未満)については返還インボイスが不要となる措置に関する図を交えた説明を、「③インボイス受領者の留意点」には、インボイスの保存がなくても帳簿の保存のみで仕入税額控除を可能とする中小事業者等に対する事務負担の軽減措置(少額特例)の説明を追加している。

加えて、「④電子帳簿保存法への対応」に、電子取引データを保存要件に従って保存をすることができなかったことにつき相当の理由がある事業者等に対する新たな猶予措置を講じられたことを追記。具体的には、システム対応が間に合わないといった相当の理由がある事業者については、「出力書面を保存」し、「税務職員から求められた際にデータで渡せる」状態にしておけば、多くの中小企業が従前の保存方法のままで良いこととされる。

なお、この小冊子はHP上に掲載されており、URL(PDF形式)からダウンロードをして活用できるようになっている。

同インボイス制度対策の小冊子は↓
https://www.jcci.or.jp/chusho/202203invoice_booklet.pdf