2023-05-15
財務省が公表した、2023年3月末時点での国債や借入金などを合計した「国の借金」は、過去最大だった2022年12月末から13兆4999億円増えて1270兆4990億円となった。2023年度の税収総額は約69兆円と4年連続で過去最高を更新する見通しだが、高齢化による社会保障費の膨張に加え、防衛費の増加などの歳出の拡大に追い付かず、約35.6兆円の新規国債発行で歳入不足を賄う。国の財政は厳しい状況が続きそうだ。
3月末の国の借金は、12月末に比べ、国債は約20.9兆円増の約1136.4兆円で全体の約89%を占め、うち普通国債(建設国債、赤字国債等)は約21.3兆円増の約1027.1兆円と過去最大となった。その内訳は、長期国債(10年以上)が約7.9兆円増の約778.3兆円、中期国債(2年から5年)が約0.9兆円増の約183.5兆円、短期国債(1年以下)も約12.5兆円増の約65.3兆円と軒並み増加して全体を押し上げた。
この「国の借金」約1270.5兆円は、2023年度一般会計予算の歳出総額114兆3812億円の約11倍、同年度税収見込み額69兆4400億円の約18.3倍にあたる。年収500万円のサラリーマンが9150万円の借金を抱えている勘定だ。また、わが国の今年4月1日時点での推計人口1億2447万人(総務省統計局の概算値)で割ると、国民1人当たりの借金は、2022年12月末時点の約1006万円から約1021万円に増加している。
わが国の公債残高(普通国債残高)は年々増加の一途を辿っているが、2023年3月末実績の公債残高約1027.1兆円が、2022年度末(2023年度当初予算ベース)では約1042.6兆円が見込まれる。2023年度一般会計予算税収見込み額約69.4兆円の約15年分に相当し、国民1人当たり約838万円にのぼり、将来世代に大きな負担を残す。ちなみに、国及び地方の長期債務残高は2023年度当初予算ベースで約1257兆円に膨らむ見込み。
2023年3月末現在の国債及び借入金等の現在高は↓
https://www.mof.go.jp/jgbs/reference/gbb/202303.html