コロナ5類移行も税特法での印紙税非課税措置は延長

新型コロナウイルス感染症の影響を受けている事業者については、消費貸借契約書に係る印紙税の非課税措置が設けられているが、5月8日から新型コロナウイルス感染症の法律上の分類が季節性インフルエンザと同じ「5類」に引き下げられ、政府と地方自治体による様々な行動制限がなくなった。だが、3月末に成立した2023年度税制改正においては、「新型コロナ税特法による印紙税の非課税措置」は1年間延長されている。

新型コロナ税特法による印紙税の非課税措置は、新型コロナウイルス感染症及びそのまん延防止のための措置によりその経営に影響を受けた事業者(特定事業者)に対して行う一定の金銭の貸付けに係る消費貸借契約書の印紙税を非課税とするもの。その消費貸借契約書には、特定事業者と他の者とが共同して作成する、または特定事業者以外の者が作成者となる契約書(例えば、公的貸付機関等が作成者となるもの)が含まれる。

ここでいう特定事業者とは、新型コロナウイルス感染症及びそのまん延防止のための措置によりその経営に影響を受けた事業者をいう。例えば、事業者またはその親族、従業員等が新型コロナウイルス感染症に感染したことによる影響のほか、イベント開催又は外出等の自粛要請、入国制限、賃料の支払猶予要請等の各種措置による影響等により、収入の減少又は売掛債権の固定化等その経営の状況が悪化した事業者をいう。

非課税措置の対象となる消費貸借契約書は、上記の特定事業者に対して、地方公共団体、政府系金融機関等又は地方公共団体、政府系金融機関等が他の金銭の貸付けの条件に比べ特別に有利な条件で行う金銭の貸付けに際して作成される消費貸借契約書が該当する。2023年度税制改正では、この措置の適用期限を延長して2024年3月31日までに作成される消費貸借契約書が対象とされた。

なお、印紙税が非課税となる消費貸借契約書について、既に印紙税を納付している場合には、「印紙税過誤納確認申請書」を税務署に提出し、税務署長の過誤納確認を受けることにより、その納付された印紙税額に相当する金額の還付を受けることができる。申請書を提出する際は、過誤納となった契約書等(原本)を提示または過誤納となった事実を金融機関等が証明した書類(原本)を提出する必要がある。