事業主の4割が「市販の会計ソフト」で申告書作成

弁護士ドットコムが、個人事業主を対象に2022年分確定申告終了直後の3月17日~23日に実施した「確定申告に関する実態調査」結果(有効回答数:個人事業主348人)によると、確定申告書の作成は4割強が「市販の会計ソフト」を利用し、申告書の提出は7割強が「e-Tax」を利用している事業主が多いことが分かった。困りごとでは、確定申告の作業や税法の理解に時間を費やすことを苦労と感じる傾向がある。

始めに個人事業主の主な確定申告内容(複数回答)をみると、「事業(本業)に関する税務申告」が85.7%と大半を占めたほか、「医療費控除、生命保険料控除、住宅ローン控除、ふるさと納税など控除に関する税務申告」(36.5%)、「副業やアルバイト・パートに関する税務申告」(23.4%)、「株やFX、不動産など投資での利益に関する税務申告」(14.9%)などが挙げられた。

確定申告書の作成方法では、「市販の会計ソフトで作成」が41.8%と4割を超えており、国税庁の申告書作成システムである「確定申告作成コーナーで作成」が19.9%、「e-Taxソフトで作成」が15.2%と、国税庁の申告書作成システムを利用した割合は合計35.1%にとどまり、市販の会計ソフトの利用率41.8%に満たない結果となった。そのほか、「税理士に依頼して作成」が13.7%だった。

申告書作成では15%程度にとどまったe-Taxだが、申請書の提出方法では、「e-Taxを利用した」が75.4%を占めた。一方、「窓口に持参した」のはわずか10.2%、「申請書の作成代行をした税理士が提出」が6.1%となった。弁護士ドットコムでは、「コロナ禍により浸透した在宅勤務や非対面サービスなどの影響からか、税務署に行くことなく自宅から手軽に提出可能な“e-Tax”が主流となっている」と分析している。

なお、今年の確定申告で苦労したこと・困ったこと(複数回答)については、「作業時間の確保」が29.8%で最も多く、次いで、「税法の理解」(27.2%)、「会計ソフトの使い方」(24%)、「税金や所得の計算」(21.9%)、「申告書の作成」(19%)、「計算ミスや申告漏れの対応」(10.8%)などが続いた。ちなみに、「特に苦労したり困ったりしたことはなかった」(29.5%)と回答した個人事業主が約3割いた。

同調査結果は↓
https://www.bengo4.com/corporate/news/article/6m5_y8qi3bf