2017-05-11
国税庁はこのほど、2016年熊本地震に係る「調整率」をホームページ上で公表した。これは、2017年度税制改正において災害に関する税制上の対応が講じられたことを受けて、租税特別措置法に規定する特定土地等及び特定株式等については、その取得のときの時価によらず、特定非常災害の発生直後の価額によることができることとされたことから、熊本地震に係る特定非常災害の発生直後の価額を求めるための「控除割合」を定めたもの。
2016年熊本地震に係る調整率は、(1)2016年４月14日以後に相続税の申告期限が到来する者が同年４月13日以前に相続等により取得、(2)2016年４月14日から同年12月31日までの間に相続・贈与等により取得、(3)2016年１月１日から同年４月13日までの間に贈与により取得、(4)2016年４月14日から同年12月31日までの間に贈与により取得、した特定地域（熊本県全域・大分県由布市）内にある土地等の価額の計算で用いる。
なお、(1)と(3)の場合は、2016年４月14日において所有していたものに限られる。また、2015年中に相続等により取得した特定地域（熊本県全域・大分県由布市）内にある土地等の価額について調整率を乗じて計算する場合には、2016年分の路線価及び評価倍率に調整率を乗じて計算する。評価方法等については、国税庁が公表している「2016年熊本地震に係る特定土地等の評価方法等の概要」が参考になろう。
ちなみに、計算方法は、(1)特定土地等が路線価地域にある場合の「2016年熊本地震の発生直後の価額」は、2016年分の路線価（評価時点：2016年１月１日）に「調整率」を乗じて計算することができる。また、(2)特定土地等が倍率地域にある場合の「2016年熊本地震の発生 直後の価額」は、2016年分の評価倍率（評価時点：2016年１月１日）に「調整率」を乗じて計算することができる。
一般の土地等の調整率を調べるには、50音順に並んでいる市町村から調べたい市町村をクリックすれば「宅地 田 畑 山林 原野 牧場 池沼」の調整率を確認できる。なお、今回調整率が最大となったのは、南阿蘇村「河陽」と「立野」の0.7となっている。
この件については↓
http://www.rosenka.nta.go.jp/main_h28/kumamoto/kumamoto/chousei/city_frm.htm
