ICT利用の所得税等申告書提出人員は81.5%に上昇

2022年分所得税等の確定申告では、所得税の申告書提出件数が2295万1千件で、過去最高だった2008年分(2369万3千件)を3.1%下回っている。それでも2011年分以降はほぼ横ばいで推移しており、こうした2千万件を超える納税者数に対応するために、国税庁は、確定申告における基本方針として、「自書申告」を推進、そのためのICT(情報通信技術)を活用した施策に積極的に取り組んでいる。

国税庁のホームページ上で申告書が作成できる「確定申告書等作成コーナー」やe-Taxなど、ICTを利用した所得税の確定申告書の提出人員は全体で1869万7千人にのぼり、2021年分より3.3%増加。所得税の確定申告書の提出人員に占める割合は前年分より2.3ポイント上昇の81.5%に達した。贈与税の申告でも、提出人員49万7千人のうち83.9%(41万7千人)がICTを利用、その割合は前年分から0.7ポイント上昇している。

確定申告会場でのICT利用は、会場で申告書を作成「e-Taxで提出」264万6千人、同「書面で提出」23万9千人の計288万5千人で、前年分に比べ▲7.2%減少。一方で、自宅などでのICT利用は、「HP作成コーナーで申告書を作成・書面での提出」351万人、「同e-Taxで提出」560万9千人、「民間の会計ソフトで作成・e-Taxで提出」514万8千人の計1426万7千人で、同5.0%増と自宅等でのICT利用が増加している。

e-Taxでの所得税の申告書提出件数は、前年比11.2%増の1494万7千人となり、確定申告書の提出人員の6割半ば(65.1%)がe-Taxを利用した。また、自宅からスマホを使ってe-Taxでの申告者は249万人で前年分から約1.6倍に増えた。自宅から納税者本人によりe-Taxで申告の約4割がスマホを使っている。さらに、マイナンバーカードを利用したスマホ申告も179万人で、前年分から約2倍に増加している。

このように、ICTを活用した施策は大きく伸びたが、閉庁日における申告相談は今回も2月19日と2月26日の日曜日に、228税務署を対象に、税務署のほか合同会場・広域センターにおいて実施。これらの会場における両日の相談件数は前年比▲1.8%の11万1千件、申告書収受件数は同▲3.9%の14万6千件とやや減少したが、新型コロナウイルス感染症拡大の影響での外出自粛下でも一定の効果を上げる結果となった。