2017-05-22
自動車税とは、自動車の所有者に対して課税される財産税の一種であって、4月1日現在、三輪以上の小型自動車、普通自動車(特殊自動車を除く)の所有者として自動車検査証(車検証)に記載されている人が納税義務者となる。納期は原則として5月中(青森県と秋田県は条例により6月中)で、5月ごろに都道府県から送られてくる納税通知書にしたがって、5月末日までに納めてもらうという税務手続きとなっている。
年度の途中で新規登録(新車・中古車は問わない)があった場合は、登録の月の翌月から年度末までの月割課税、廃車の場合は、4月から消滅(登録抹消)の月までの月割課税となる。所有者変更の場合、4月1日現在の所有者に全額課税、つまり月割課税されないので、特に友人・知人間での売買の場合には売買時点で自動車税の負担額についてきちんと取決めをしておかないと思わぬトラブルになりかねない。
注意したいのは、引越しをした場合だ。引越しをした場合は通常、引越し前の市区町村に転出届を、引越し後の市区町村に転入届を提出するが、自動車税も同様に、自動車の所有者にきちんと納税通知書が届くようにするために、住民票の手続きとは別に、自動車検査証の住所変更登録が必要となる。自動車検査証の住所変更登録は、住所変更の届出など住民票の手続きと連動しているわけではないので注意が必要だ。
自動車税の住所変更登録を忘れてしまうと、納税通知書が届かないこととなる一方、自動車税の納付期限の5月末日までなら利用できたコンビニ等での自動車税の納付ができなくなる。また、納期限までに納めなかったことで、納付期限の翌日から1ヵ月を経過するまでは特例基準割合に1%を加算した割合(1.7%+1%=2.7%)、その後は特例基準割合に7.3%を加算した割合(1.7%+7.3%=9%)の延滞税が課されることになる。
さらに、未納の状態を放置すると「車検を受けられない」ことになる。自動車納税通知書の一部は自動車税の納税証明書となっており、自動車税を納めたときに、収受印を押印の上、半券として返される書類が自動車税納税証明書だ。通常、車検を受ける場合には、これまでの車検証、自動車損害賠償責任保険証明書、自動車税納税証明書の3点が必要になる。車検が受けられない事態にならないように、自動車税の住所変更登録を忘れずにしたい。