2023年分路線価は+1.5%と2年連続の上昇~国税庁

国税庁は3日、相続税や贈与税の土地等の課税評価額の基準となる2023年分の路線価及び評価倍率を公表した。今年1月1日時点の全国約31万6千地点(継続地点)における標準宅地の前年比の変動率の平均は+1.5%(昨年+0.5%)と、2年連続で上昇した。路線価日本一は、38年連続で東京・銀座「鳩居堂前」で1平方メートル4272万円(昨年4224万円)で、+1.1%と3年ぶりに上昇している。

都道府県別の路線価をみると、標準宅地の評価基準額の対前年変動率の平均値の上昇率が「5%未満」の都道府県は、昨年分の20道府県から東京や大阪など24都府県に増加。上昇率が「横ばい」の都道府県は、昨年の0県から2県となった。「下落率が5%未満」の都道府県は昨年の20県から27県に減少した。ちなみに、上昇率トップは「北海道」の+6.8%、最大の下落率は「和歌山県」の▲1.2%だった。

一方、都道府県庁所在都市の最高路線価が上昇した都市は、昨年15都市から29都市へと大幅に増加し、うち、5都市が上昇率5%以上10%未満、24都市が5%未満だった。横ばいは13都市(昨年16都市)で、下落は4都市(同16都市)のみ。内訳は、下落率「5%未満」が4都市(同15都市)、「5%以上10%未満」が昨年の神戸の1都市から0都市となり、下落率「10%以上」の年は昨年に引き続きなかった。

都道府県庁所在都市の最高路線価では、1位が東京・中央区銀座5丁目の「銀座中央通り」で、1平方メートル当たりの路線価は前年から1.1%上昇の4272万円。以下、大阪・北区角田町の「御堂筋」1920万円(増減率+1.3%)、横浜市西区南幸1丁目の「横浜駅西口バスターミナル前通り」1680万円(同+1.4%)、名古屋市中村区名駅1丁目「名駅通り」1280万円(同+2.6%)と続く。

2023年分の路線価は2年連続の上昇となったが、その要因には、新型コロナの影響が弱まり、人流の増加などの期待が集まった観光地や繁華街などでプラスに転じたことがある。インバウンド(訪日外国人)の増加も見込んで、上昇地点が広がった。また、東京都心の住宅価格の高騰や在宅勤務の定着などを背景に、郊外の住宅地も上昇が続き、飲食店等への営業時間短縮要請の影響で下落した繁華街や商業地で下落幅が縮小した地点も多い。

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