法人の口座開設、「特定法人」該当の有無に確認必要!

2015年度税制改正(2017年1月1日施行)により、2017年1月1日以後、新たに国内に所在する金融機関等(銀行、証券会社、保険会社、組合、信託等)で口座開設等を行う法人、自然人、組合等は、金融機関等へその法人等の居住地国等を記載した届出書の提出が必要となっている。届出書には、氏名・住所(名称・所在地)、居住地国、外国の納税者番号などを記載する必要がある。

さらに、法人が口座開設等を行う場合、「特定法人」に該当するかどうかを確認して、「特定法人」に該当するときには、その法人の「実質的支配者」に係る居住地国等についても届出書に記載する必要がある。「実質的支配者」とは、法人の事業経営を実質的に支配することが可能となる関係にある者をいう。例えば、株式会社、投資法人等の議決権の総数の25%を超える議決権を直接・間接に有していると認められる自然人等が該当する。

「特定法人」とは以下の(1)~(11)のいずれかの法人に該当しない場合、その法人は、「特定法人」となる。(1)その発行する株式が外国金融商品取引所又は金融商品取引所において上場されている法人(上場法人)。(2)国、地方公共団体若しくは日本銀行又は外国政府、外国の地方公共団体、外国の中央銀行若しくは日本が加盟している国際機関。(3)(2)の法人が資本金、基本金その他これらに準ずるものの全部を出資している法人。

(4)上場法人と他の法人との間に、イ.いずれか一方の法人が他方の法人を直接又は間接に支配する関係(子会社・孫会社・曾孫会社)、ロ.同一の者が当該上場法人及び当該他の法人を直接又は間接に支配する関係(兄弟会社)、がある場合における当該他の法人。(5)収益事業を行っていない公共法人及び公益法人等。(6)日本の報告金融機関等。(7)外国の報告金融機関等など(外国の法令に準拠して設立された一定の者に類する法人を除く)。

(8)持株会社(法令又は定款の規定により子会社(報告金融機関等を除く)の経営管理等以外の業務を行うことができないことが定められているもの)。(9)主として(4)イ又はロの関係にある法人(同)に対する出資、融資その他これらに準ずる取引を行うことを業務とする法人。(10)その設立の日以後2年を経過していない法人であって、その事業を開始していないもの(外国の法令に準拠して設立された一定の者に類する法人を除く)。

(11)法人の直前の事業年度がイ.直前事業年度の総収入金額のうちにその直前事業年度の投資関連所得(利子所得、配当所得等のことをいう)に係る収入金額の占める割合が50%に満たないこと、ロ.直前事業年度終了の時の総資産の額のうちにその直前事業年度の投資関連所得の基因となるその直前事業年度終了の時の資産の額の合計額の占める割合が50%に満たないこと、の要件の全てに該当する場合におけるその法人。