「非居住住宅利活用促進税」の導入を目指す京都市

空き家等の既存住宅の流通・利活用の促進が全国的な課題となっているなか、京都市では、自治体独自の法定外普通税として、「非居住住宅利活用促進税(空き家税)」の導入に向けた取組みを進めている。空き家や別荘などの居住者のない住宅の存在は、京都市に居住を希望する人への住宅の供給を妨げるとともに、防災上、防犯上または生活環境上多くの問題を生じさせ、地域コミュニティの活力を低下させる原因の一つになっている。

こうしたことから、非居住住宅の所有者に対し非居住住宅利活用促進税を課すことは、非居住住宅の有効活用を促すとともに、その税収入をもって空き家の活用を支援する施策を講じることで、住宅の供給の促進、安心かつ安全な生活環境の確保、地域コミュニティの活性化及びこれらの施策に係る将来的な費用の低減を図り、もって持続可能なまちづくりに資することを目的としている。

非居住住宅利活用促進税は、京都市の市街化区域内に所在する非居住住宅(住宅のうち、その所在地に住所を有する者がないもの)に対し、その所有者に家屋価値割額及び立地床面積割額の合算額によって課すこととする。住民票の有無にかかわらず、居住実態の有無によって生活の本拠を判断する。ただし、事業の用に供している非居住住宅や、それ以外で賃貸または売却を予定している非居住住宅に対しては課税を免除する。

具体的には、(1)事業の用に供しているもの、または1年以内に事業の用に供することを予定しているもの、(2)賃貸または売却を予定しているもの(事業用を除く、ただし、1年を経過しても契約に至らなかったものは除く)、(3)固定資産税において非課税または課税免除とされているもの、(4)景観重要建造物その他歴史的な価値を有する建築物として別に定めるもの、などは非居住住宅利活用促進税を課さないこととする。

また、ア.非居住住宅の所有者が死亡したこと、イ.居住者が死亡したことにより非居住住宅となったこと、のいずれかに該当する事実がある旨の納税義務者の申告があり、その申告が真実であると認められるときは、その事実が発生した日から3年間に限り、その非居住住宅に係る非居住住宅利活用促進税の徴収を猶予する。施行期日は、市規則で定める日(2026年1月1日以後の日を予定)としている。