国の借金、6月末時点で約1276兆円と過去最大に

財務省が公表した、2023年6月末時点での国債や借入金などを合計した「国の借金」は、過去最大だった2023年3月末から5兆8165億円増えて1276兆3155億円となった。2023年度の税収総額は約69兆円と5年連続で過去最高を更新する見通しだが、高齢化による社会保障費の膨張に加え、新型コロナ対策や物価高対応の財政支出などがあるため、約35.6兆円の新規国債発行で歳入不足を賄う予定だ。国の借金は膨張が止まらない。

6月末の国の借金は、3月末に比べ、国債は▲約2.3兆円の約1134.1兆円で全体の約89%を占め、うち普通国債(建設国債、赤字国債等)は▲約0.5兆円の約1026.6兆円と過去最大だった3月末からは微減となった。その内訳は、長期国債(10年以上)が約7.7兆円増の約785.9兆円、中期国債(2年から5年)も約3.4兆円増の約186.9兆円と増加したが、短期国債(1年以下)が▲約11.5兆円の約53.8兆円と減少して全体を押し下げた。

この「国の借金」約1276.3兆円は、2023年度一般会計予算の歳出総額114兆3812億円の約11倍、同年度税収見込み額69兆4400億円の約18.4倍にあたる。年収500万円のサラリーマンが9200万円の借金を抱えている勘定だ。また、わが国の今年7月1日時点での推計人口1億2456万人(総務省統計局の概算値)で割ると、国民1人当たりの借金は、2023年3月末時点の約1021万円から約1025万円に増加している。

わが国の公債残高(普通国債残高)は年々増加の一途を辿っているが、2023年6月末実績の公債残高約1026.6兆円が、2023年度末(2023年度当初予算ベース)では約1068兆円が見込まれる。2023年度一般会計予算税収見込み額約69.4兆円の約15年分に相当し、国民1人当たり約857万円にのぼり、将来世代に大きな負担を残す。ちなみに、国及び地方の長期債務残高は2023年度当初予算ベースで約1280兆円に膨らむ見込み。

2023年6月末現在の国債及び借入金等の現在高は↓
https://www.mof.go.jp/jgbs/reference/gbb/202306.html