住宅ローンを借換えのときの住宅ローン控除の取扱い

住宅の取得等に当たって借り入れた住宅ローン等を金利の低い住宅ローン等に借り換えることがある。住宅借入金等特別控除(住宅ローン控除)の対象となる住宅ローン等は、住宅の新築、取得または増改築等のために直接必要な借入金または債務でなければならない。したがって、住宅ローン等の借換えによる新しい住宅ローン等は、従前の住宅ローンを消滅させるための新たな借入金であり原則として住宅ローン控除の対象とはならない。

しかし、このような場合であっても、一定の要件の下、借換え後の借入金について引き続き住宅ローン控除を受けられる。控除の適用を受けるための一定の要件とは、(1)新しい住宅ローン等が当初の住宅ローン等の返済のためのものであることが明らかであること、(2)新しい住宅ローン等が10年以上の償還期間であることなど住宅ローン控除の対象となる要件に当てはまること、のすべての要件を満たす場合だ。

この取扱いは、例えば、住宅の取得等の際に償還期間が10年未満の借入金(いわゆるつなぎ融資)を受け、その後に償還期間が10年以上となる住宅ローン等に借り換えた場合も同じだ。なお、住宅ローン控除を受けることができる年数は、居住の用に供した年から一定期間であり、住宅ローン等の借換えによって延長されることはない。また、借換えを行った場合の住宅借入金等の年末残高は下記の通りとなる。

借換えによる新たな住宅ローン等が住宅ローン控除の対象となる場合には、次の金額が控除の対象となる住宅ローン等の年末残高となる。例えば、A=借換え直前における当初の住宅ローン等の残高、B=借換えによる新たな住宅ローン等の借入金額(当初金額)、C=借換えによる新たな住宅ローン等の年末残高、とすれば、(1)A≧Bの場合の対象額=C、(2)A<Bの場合の対象額=C×A/B、となる。