企業版ふるさと納税の寄附件数は前年度比1.7倍に

内閣府がこのほど公表した地方創生応援税制(企業版ふるさと納税)の2022年度寄附実績によると、同年度の寄附件数は8390件、その寄附金額は341億700万円で、前年度と比べ件数で約1.7倍、金額で約1.5倍となり、2021年度から引き続き大幅に増加した。企業版ふるさと納税は、企業が地域再生法の認定地方公共団体が実施する「まち・ひと・しごと創生寄附活用事業」に対して寄附を行った場合に税制上の優遇措置が受けられる。

増加要因としては、2020年度の税制改正で、これまで最大6割だった税の軽減効果を最大9割に引上げなど、地方創生の更なる充実・強化に向け地方への資金の流れを飛躍的に高める観点から、企業版ふるさと納税について、税額控除割合の引上げ・手続きの簡素化など大幅に見直したことがある。併用可能な国の補助金・交付金の範囲を拡大、認定手続きの簡素化などの制度の見直しにより、制度が企業に浸透してきたことも挙げられる。

また、寄附を行った企業数は前年度比約1.5倍の4663企業と5千企業超えも見えてきており、寄附活用団体数も1276地方公共団体と1千団体を初めて超えるなど、寄附税制の裾野の拡がりがうかがえる。寄附受入額が多い地方公共団体をみると、トップは前年度同様に「静岡県裾野市」15億4630万円で、以下、「北海道大樹町」14億690万円、「宮城県」12億6970万円、「徳島県神山町」12億1450万円と続く。

寄附を活用した事業の分野別実績額をみると、「しごと創生」(地域産業振興、観光振興、農林水産振興、ローカルイノベーション、人材の育成・確保等)が192億4960万円で最多、次いで、「まちづくり」(小さな拠点、コンパクトシティ)が96億9270万円、「地方への人の流れ」(移住・定住の促進、生涯活躍のまち等)が33億4520万円、「働き方改革」(少子化対策、働き方改革等)が18億1910万円と続く。

なお、ふるさと納税の仕組みを活用して、専門的知識・ノウハウを有する企業の人材の地方公共団体等への派遣を行う「企業版ふるさと納税(人材派遣型)」について、2022年度は、北は北海道から南は熊本県までの7道府県、全国23の市町の合計で30の地方公共団体が活用している。

この件については↓
https://www.chisou.go.jp/tiiki/tiikisaisei/pdf/R04_keinen_zisseki.pdf