2017-06-08
国税庁はこのほど、「契約書や領収書と印紙税」についての情報を同庁ホームページに掲載した。掲載されているのは各種取扱いの変更点等。2017年度税制改正では、租税特別措置法の一部改正により、「自然災害の被災者が作成する不動産の譲渡に関する契約書等の印紙税の非課税措置」及び「指定災害の被災者等に対する災害特別貸付けに係る消費貸借に関する契約書の印紙税の非課税措置」が設けられた。
具体的には、被災者生活再建支援法が適用される自然災害の被災者等が、自然災害により滅失した建物の敷地や損壊した建物を譲渡する場合や、滅失した建物に代わるものを新築する場合又は損壊した建物を修繕する場合等に作成する「不動産の譲渡に関する契約書」又は「建設工事の請負に関する契約書」のうち、その災害発生日から5年を経過する日までに作成されるものについては、印紙税を課さないこととされた。
また、金融機関が激甚災害の被災者等に対して行う金銭の特別貸付けに係る消費貸借に関する契約書のうち、災害発生日から5年を経過する日までに作成されるものについては、印紙税を課さないこととされた。これらの改正は、2016年4月1日以後に作成された各契約書について適用することとされている。国税庁ホームページに掲載された情報ではこのほか、「金銭又は有価証券の受取書」の非課税範囲の拡大がある。
これは、「金銭又は有価証券の受取書」について、以前は受取金額「3万円未満」のものが非課税対象とされていたが、2014年4月1日以降に作成されたものについては「5万円未満」と非課税範囲が拡大されている点。また、「不動産の譲渡に関する契約書」及び「建設工事の請負に関する契約書」のうち、一定要件に該当するものに係る印紙税を軽減する措置が、2018年3月31日まで延長されている点について説明している。
なお、印紙税は、契約書や手形、領収書などの文書に課税される税金。文書の作成者が定められた金額の収入印紙を文書に貼り付け、消印することで納付する。税額は文書の内容や文書に記載された金額に応じて定められており、例えば「不動産売買契約書(第1号文書)」や「工事請負契約書(第2号文書)、「売上代金の領収書(第17号の1文書)」などは、その文書に記載された金額に応じて納税額が異なるので注意が必要となる。
この件については↓
http://www.nta.go.jp/shiraberu/ippanjoho/pamph/inshi/pdf/1504.pdf