印紙税の7号文書に該当するか否かの判断に注意!

印紙税の第7号文書に該当するか否かの判断には注意が必要だ。同じような請負の契約書なのに印紙が4000円と200円の違いがある。それは印紙税法上の第7号文書である、継続的取引の基本となる契約書に該当するかどうかで違いが生じる。例えば、50万円の請負契約であれば印紙代は200円となるが、第7号文書に該当すると4000円の収入印紙が必要となり、比較すると実に3800円の差が生じることになる。

それでは、第7号文書にはどういったものが該当するのかというと、まず、継続的取引の基本となる契約書で、契約期間の記載のあるもののうち、その契約期間が3ヵ月以内、かつ、更新の定めがないものを除くという前提がある。次に、(1)営業者間で締結される契約であること、(2)売買、売買の委託、運送、運送取扱又は請負のいずれかの取引に関する契約であること、(3)2以上の取引を継続して行う取引であること。

さらに、(4)2以上の取引に共通して適用される取引条件のうち、目的物の種類、取扱数量、単価、対価の支払い方法、債務不履行の場合の損害賠償の方法又は再販売価格のうち1以上の事項を定める契約であること、(5)電気又はガスの供給に関する契約でないこと、といった要件がある。結構複雑だが、要件の(2)から分かるように、7号書面の対象となる契約の内容は限られたものになっている。

そのほかの主に注目すべき点は、契約期間が3ヵ月超であるかどうか、契約金額の記載があるかどうかだ。仮に、冒頭の例のように50万円の請負契約をした場合、契約期間が3ヵ月を超えて第7号文書で作成した場合は、1通につき4000円の収入印紙が必要になるが、契約期間が3ヵ月以内であれば1通当たり200円で計算することができる。このように、契約期間に着目することで、節約が可能となる。

また、第7号文書の要件のうち、売買に関するもので不動産等を対象とするものや運送に関するもの、請負に関するものについては、それぞれ第1号文書又は第2号文書に該当することになるが、記載金額があるものは第1号文書又は第2号文書に、記載金額の計算ができないものは第7号文書にその所属が決定される。したがって、ここでも契約書の記載金額によっては、印紙税の節税が可能となるわけだ。

この7号文書に関する判断は迷うことが多く、ケースによってはそのリスクも大きくなる。例えば多数の取引相手と同じ内容の契約を締結する場合に、7号文書に該当しないとして、印紙を貼らない若しくは200円の印紙しか貼らなかったとする。そして何年か経った後の税務調査で、この判断が誤りで、本来は7号文書に該当するので4000円の印紙を貼らなくてはならないとされた場合には、何百もの契約書の印紙税と過怠税を払わなくてはならなくなることも考えられる。

印紙税の追徴と過怠税で数百万円ということもあるので、そのようなリスクが想定されるケースでは、本当に慎重な判断が求められることになる。だから、会社と税理士等できちんと検討するのはもちろんだが、そのうえで管轄の税務署にその契約書を持って行って相談することもお勧めしたい。また、取引そのものに支障が出ない範囲で、難しい判断を要する契約内容にはしないという選択肢もある。