国税庁、「新NISA」の周知にパンフレットを公表

2023年度税制改正において、NISAに関して見直しが行われ、抜本的拡充・恒久化された新たな制度(新NISA)が2024年1月1日から開始される。NISAは、18歳以上(非課税口座を開設する年の1月1日現在)の居住者等が金融機関に開設している非課税口座で取得した上場株式等について、その配当等やその上場株式等を売却したことにより生じた譲渡益が非課税となる制度だ。

国税庁は、新NISAが開始される来年1月1日を前に、その周知のためのパンフレットをHPに掲載した。それによると、新NISAの始め方は、既に非課税口座を開設済みで、2023年12月31日において、その非課税口座に2023年分の「非課税管理勘定(一般NISA)」又は「累積投資勘定(つみたてNISA)」が設定されている場合(一定の場合を除く)には、特に新たな手続きをせずに、新NISAを利用することができる。

一方、新たにNISAを利用する場合は、金融機関に、「非課税口座開設届出書」の提出をして非課税口座を開設することで、「つみたて投資枠」及び「成長投資枠」が設定される。また、新NISAでの年間投資上限額は、「つみたて投資枠」で120万円、「成長投資枠」で240万円だが、その年の投資額が、この年間投資上限額に達していない場合であっても、非課税保有限度額(1800万円又は1200 万円)を超えて投資をすることはできない。

パンフでは非課税口座の開設に関する留意点も言及している。まず、既に非課税口座を開設している人が、その非課税口座を開設している金融機関に、「金融商品取引業者等変更届出書」の提出をする等の一定の手続きを行うことで、他の金融機関において非課税口座を開設すること(金融機関の変更)が可能だが、同一年分に複数の「つみたて投資枠」及び「成長投資枠」を重複して設けることはできないことがある。

「金融商品取引業者等変更届出書」は、「つみたて投資枠」及び「成長投資枠」を設けようとする年(年分)の前年10月1日からその年9月30日までの間に提出をする必要がある。ただし、その提出をする日以前に、変更前の金融機関の非課税口座におけるその年分の「つみたて投資枠」又は「成長投資枠」に上場株式等の受入れをしているときは、その年分について金融機関の変更はできないことにも留意したい。

次に、非課税口座の開設に当たって、複数の金融機関に非課税口座の開設を申し込んでしまった場合には、その申込情報が税務署に提供される時が最も早い金融機関において非課税口座が開設される。非課税口座がどの金融機関に開設されたか分からないため、その開設状況を確認したいときは、税務署に確認依頼書を提出して確認するか、e-Taxを使用することにより自身で確認することができる。

同パンフレットは↓
https://www.nta.go.jp/users/gensen/nisa/pdf/shinnisa.pdf