国税の「行政手続コスト」削減のための基本計画公表

財務省では、去る2017年3月29日に規制改革推進会議が発表した「行政手続部会取りまとめ~行政手続コストの削減に向けて~」を踏まえ、国税における行政手続コスト削減のための基本計画を策定したことから、6月30日に公表した。基本計画では、まず国税における行政手続きの概要及び電子化の状況を示した上で、コスト削減の取組内容及びスケジュールを明らかにしている。

コスト削減方策については、(1)電子申告の義務化が実現されることを前提に、大法人の法人税・消費税の申告について、電子申告(e-Tax)の利用率100%、(2)中小法人の法人税・消費税の申告について、電子申告の利用率85%以上、(3)電子納税の一層の推進、(4)e-Taxの使い勝手の大幅改善、(5)地方税との情報連携の徹底(法人設立届出書等の電子的提出の一元化、電子申告での共通入力事務の重複排除等)を掲げている。

(3)の電子納税の一層の推進では、2017年6月から、インターネットバンキング等を通じたオンライン納付について、ダイレクト納付と同様に、e-Taxによる申告情報をシステム上で自動的に引き継ぐ機能を実装し、納付手続きの簡便化を実施。また、ダイレクト納付において、複数の金融機関の預貯金口座の登録を、2018年1月から可能とする予定や、ダイレクト納付を利用した予納制度の拡充を検討する。

(4)のe-Taxの使い勝手の大幅改善では、マイナポータルの「お知らせ」機能の活用(2019年1月以降順次実施に向けて検討)などマイナポータルの利活用の推進や、個人納税者のe-Tax利用の認証手続きの簡素化(2019年1月実施予定)など認証手続等の簡便化、申告書等の送信容量の拡大(2018年度実施に向けて検討)など申告書等の送信手続きの利便性の向上のほか、e-Tax利用による手続簡素化を掲げている。

(5)の地方税との情報連携の徹底では、まず、法人納税者が設立又は納税地異動等の際に国税当局と地方税当局それぞれに提出している各種届け出書等について、データの一括作成および電子的提出の一元化を可能とする(2019年度実施に向けて検討)。また、2017年1月以降、給与・公的年金等の源泉徴収票及び支払報告書の電子的提出の一元化を可能としたが、この取組みを推進する。

さらに、法人住民税・法人事業税(地方法人二税)の電子申告手続時の複数自治体への申告に共通する事項の重複入力の排除の検討・実現に併せ、総務省と連携して、民間ソフトベンダーへの仕様公開方法の改善や法人税申告情報のイインポート機能の実装等を通じて、法人税及び地方法人二税の電子申告における共通入力事務の重複排除に向けて取り組む(総務省と連携して2019年度実施に向けて検討)。

この件については↓
http://www.mof.go.jp/about_mof/other/e-j/kokuzei.pdf