2017-07-07
会社の出張で従業員が利用するのはビジネスホテルが一般的だが、長期出張の場合はそれ以外の宿泊施設を利用するケースがある。例えば、ウィークリーマンションやマンスリーマンションを借りた場合には、消費税の取扱いはどうなってくるのだろうか。一見、長期間滞在していると住宅の貸付けに該当してその家賃は非課税取引と考えがちだが、ウィークリーマンション等に係る家賃については一定の要件に該当すると課税取引になる。
消費税法上、「住宅の貸付けは非課税」とされるが、(1)貸付期間が1月未満の場合、(2)旅館業法第2条第1項に規定する旅館業に係る施設の貸付けに該当する場合は、住宅の貸付けから除かれ課税とされる。さらに、例えば、旅館、ホテル、貸別荘、リゾートマンション、ウィークリーマンション等は、その利用期間が1ヵ月以上となる場合であっても、非課税とはならないと規定している。
ただし、ウィークリーマンションやマンスリーマンションを借りたケースでは、貸付期間が1ヵ月未満の場合は課税取引に該当することになるが、1ヵ月以上の場合には旅館業法第2条第1項に規定する旅館業に係る施設の貸付けに該当するかどうかで、課税取引、非課税取引の判断が分かれてくる。ウィークリーマンション等は一般的には旅館業に該当することが多いようなので、その家賃はやはり課税取引になる。
しかし最近は、ウィークリーマンション等と言っても、様々な管理、経営形態等があり、上記(2)に規定する旅館業としての貸付けには該当せず、上記(1)の規定を基に1ヵ月未満の場合は課税取引、1ヵ月以上の場合には非課税取引としている施設もあるようだ。単純に名称だけで判断はできず、一般的には契約書や請求書等で消費税の有無は判断できることが多いと思われる。記載がない場合等は問い合わせるなど確認する必要がある。
整理すると、住宅の貸付けは使用期間が1ヵ月を超えると非課税だが、居住用の利用が明らかであっても、使用期間が1ヵ月未満であれば課税対象となる。週単位で借りるウィークリーマンションは、これに該当し課税となる。対して、マンスリーマンションの場合は、「人が住む目的で貸し付けられていること」、「契約期間が1ヵ月以上であること」、「『旅館業法』の貸付等に該当しないこと」の3条件を満たせば基本的には非課税となる。