2024-03-11
2023年分の所得税等の確定申告も終盤を迎えているが、所得税法では毎年1月1日から12月31日までの1年間に生じた所得について、翌年2月16日から3月15日までの間に確定申告を行い、所得税を納付することになっている。しかし、期限内に確定申告を忘れた場合でも、自分で気が付いたらできるだけ早く申告することが必要だ。この場合は、期限後申告として取り扱われる。
期限後申告をしたり、所得金額の決定を受けたりすると、申告等によって納める税金のほかに無申告加算税が課される。各年分の無申告加算税は、2024年1月1日以後に法定申告期限が到来するもの(2023年分以降)については、納付すべき税額に対して、50万円までの部分は15%、50万円を超え300万円までの部分は20%、300万円を超える部分は30%の割合を乗じて計算した金額となる。
ただし、2023年分以降は、税務調査等で帳簿の提示又は提出を求められた際、帳簿の提示等をしなかった場合や帳簿への売上金額の記載等が本来記載すべき金額の2分の1未満だった場合は、納付すべき税額に対して10%の割合を乗じて計算した金額が、帳簿への売上金額の記載等が本来記載等すべき金額の3分の2未満だった場合は納付すべき税額に対して5%の割合を乗じて計算した金額が、それぞれ加算される。
さらに、税務調査等により、期限後申告書の提出があった場合に、その期限後申告書を提出した日の前日から起算して5年前の日までの間に、無申告加算税や重加算税が課されたことがある場合や、その期限後申告書に係る年分の前年・前々年の所得税について無申告加算税、無申告加算税に代えて課される重加算税が課されたことがあるとき等には、納付すべき金額に、10%の割合を乗じて計算した金額が、加算される。
なお、期限後申告であっても、(1)その期限後申告が、法定申告期限から1ヵ月以内に自主的に行われていること、(2)期限内申告をする意思があったと認められる一定の場合に該当すること、の要件をすべて満たす場合には無申告加算税は課されない。一定の場合とは、次のイ.およびロ.のいずれにも該当する場合をいう。イ.は、その期限後申告に係る納付すべき税額の全額を法定納期限までに納付していること。
ロ.は、その期限後申告書を提出した日の前日から起算して5年前までの間に、無申告加算税または重加算税を課されたことがなく、かつ、期限内申告をする意思があったと認められる場合の無申告加算税の不適用を受けていないこと。