確定申告を間違えたときには早めの修正申告を!

確定申告を終えてホッとしている方も多いと思われるが、法定申告期限後に計算違いなど、申告内容の間違いに気が付いた場合、納める税金が多過ぎた場合や還付される税金が少な過ぎた場合、納める税金が少な過ぎた場合や還付される税金が多過ぎた場合には、訂正して更正の請求や修正申告をする必要がある。国税庁HPの「更正の請求書・修正申告書作成コーナー」を利用すれば、税額などが自動計算され、修正申告書等が簡単に作成できる。

納める税金が多過ぎた場合や還付される税金が少な過ぎた場合は、更正の請求という手続きができる場合がある。この手続きは、更正の請求書を税務署長に提出することにより行う。更正の請求書が提出されると、税務署ではその内容の検討をして、納め過ぎの税金がある等と認めた場合には、減額更正をして税金を還付または純損失の金額を増加することになる。更正の請求ができる期間は、原則として法定申告期限から5年以内だ。

一方、納める税金が少な過ぎた場合や還付される税金が多過ぎた場合には、修正申告により誤った内容を訂正することになる。修正申告をする場合の注意点としては、誤りに気がついたらできるだけ早く修正申告することがある。というのも、税務署の調査を受けた後で修正申告をしたり、税務署から申告税額の更正を受けたりすると、新たに納める税金のほかに過少申告加算税がかかるからだ。

この過少申告加算税の金額は、新たに納めることになった税金の10%相当額だが、新たに納める税金が当初の申告納税額と50万円とのいずれか多い金額を超えている場合、その超えている部分については15%になる。税務署の調査を受ける前に自主的に修正申告をすれば、過少申告加算税はかからないが、調査の事前通知の後にした場合は、50万円までは5%、50万円を超える部分は10%の割合を乗じた金額の過少申告加算税がかかる。

本年1月1日以後に法定申告期限が到来するものについては、税務調査等で帳簿の提示や提出を求められた際、帳簿の提示等をしなかった場合や帳簿への売上金額の記載が本来記載等すべき金額の2分の1未満だった場合は、納付すべき税額に対して10%を乗じて計算した金額が、帳簿への売上金額の記載等が本来記載等すべき金額の3分の2未満だった場合は納付すべき税額に対して5%を乗じて計算した金額が、加算される。

また、新たに納める税金は、修正申告書を提出する日が納期限となるので、その日に納めることになる。この場合、納付の日までの延滞税を併せて納付する必要がある。なお、2022年12月31日以後に課税期間が終了する所得税に係る更正の請求書および修正申告書については、更正前または修正前の課税標準等の記載が不要となっている(修正申告の際には、申告書第5表(修正申告・別表)は不要となる)。