2024-03-27
店舗併用住宅とは、1つの家屋の中に居住用部分と店舗用部分が一緒になっている家屋をいうが、個人がこの店舗併用住宅を売って譲渡所得が生じ、代わりに同じ種類の店舗併用住宅に買い換えた場合で一定の要件に当てはまるときは、居住用部分と店舗用部分については、それぞれ特例の適用を受けられる。居住用部分では、居住用財産を譲渡した場合の3000万円の特別控除の特例や居住用財産を買い換えたときの特例の適用が受けられる。
「居住用財産を譲渡した場合の3000万円の特別控除の特例」は、マイホーム(居住用財産)を売ったときは、所有期間の長短に関係なく譲渡所得から最高3000万円まで控除ができるというもの。特例の適用を受けるためには、自分が住んでいる家屋を売るか、家屋とともにその敷地や借地権を売ること、以前に住んでいた家屋や敷地等の場合には、住まなくなった日から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売ることなどの要件がある。
特定の居住用財産の買換えの特例では、例えば、1000万円で購入したマイホームを5000万円で売却し、7000万円のマイホームに買い換えた場合には、通常の場合、4000万円の譲渡益が課税対象となるが、この特例の適用を受けた場合には、売却した年分で譲渡益への課税は行われず、買い換えたマイホームを将来譲渡したときまで譲渡益に対する課税が繰り延べられる。
また、店舗用部分は、事業用の資産を買い換えたときの特例の適用が受けられる。この特例は、個人が、事業の用に供している特定の地域内にある土地建物等(譲渡資産)を譲渡して、一定期間内に特定の地域内にある土地建物等の特定の資産(買換資産)を取得し、その取得の日から1年以内にその買換資産を事業の用に供したときは、一定の要件のもと、譲渡益の一部に対する課税を将来に繰り延べることができるというもの。
この特例の適用を受けると、売った金額(譲渡価額)より買い換えた金額(取得価額)が多いときは、売った金額に20%の割合(この乗ずる割合を「課税割合」という)を掛けた額を収入金額として譲渡所得の計算を行うことになる。一方、売った金額より買い換えた金額が少ないときは、その差額と買い換えた金額に課税割合を掛けた額との合計額を収入金額として譲渡所得の計算を行うことになる。
なお、居住用部分と店舗用部分のどちらか一方の用途の使用割合が建物全体の90%以上になっている場合には、その用途に全体が使われていたものとして、対応する特例の適用を受けることもできる。