2017-07-14
高市総務相は7月7日、沖縄県座間味村から4月27日に協議の申し出があった法定外目的税「美ら島税」の新設導入について同意した。導入時期は、条例が施行予定の来年4月1日から。座間味村が導入する「美ら島税」は、那覇の泊港と那覇空港から海・空路で座間味村に入村する者を対象に1回の入村につき1人100円を課税するもので、税負担の公平の原則から、観光客等以外の村民からも徴収することとしている。
非課税対象は中学生以下、障害者。税収の使途は、海の保全や島の陸域環境の保全、観光客へのサービスに限定され、同村ではウミガメの保護活動やオニヒトデ駆除、海岸の清掃・美化活動、観光施設の維持整備などに充てる。平年度ベースでの徴税費用見込額は20万円、税収見込額は1000万円。なお、沖縄県の市町村では2000年以降、伊是名村、伊平屋村、渡嘉敷村が同様の法定外目的税である「環境協力税」を導入している。
座間味村は、県都那覇市から高速船で約50分、西へ約40キロメートルの東シナ海に浮かぶ亜熱帯の島々「慶良間諸島」(ケラマショトウ)の西半分の島々からなる離島村。透明度抜群の海と世界屈指の珊瑚礁、数々の熱帯魚にいろどられた美しい海中景観で知られ、一年を通じてダイバーが訪れる。座間味島ザマミジマ、阿嘉島アカジマ、慶留間島ゲルマジマの3つの有人島はいずれも亜熱帯の森に覆われ、天然記念物ケラマジカが生息している。
なお、法定外目的税とは、国の法律「地方税法」に定められた税目以外に、地方自治体が特定の目的に使用するために条例で設定する税。総務大臣の同意を必要とする。法定外税の一つで、産業廃棄物税や宿泊税など、2017年4月1日現在で38件、102億円(2015年度決算額)。法定外税にはそのほか、2000年施行の地方分権一括法により可能になった法定外普通税があり、2017年4月1日現在で19件、415億円(同)となっている。