事業所得者の定額減税は予定納税の有無で異なる対応

2024年分所得税の定額減税は、納税者(合計所得金額1805万円超の高額所得者については対象外)及び配偶者を含めた扶養家族1人につき、3万円が控除される。多くの給与所得者は、6月1日以降最初に支払いを受ける給与等から、源泉徴収されるべき所得税の額から特別控除相当額を控除するが、事業所得者や不動産所得者などに係る所得税の定額減税は、予定納税の対象となるか否かで対応が異なる。

予定納税は、その年の5月15日現在において確定している前年分の所得金額や税額などを基に計算した金額(予定納税基準額)が15万円以上となる者が、予定納税基準額の3分の1の金額を、その年に第1期および第2期として2回納付することになる。2024年分の予定納税基準額は、定額減税額がないものとして計算することとされ、原則として2023年分の申告納税額と同じ金額となる。

そこで、予定納税基準額が15万円以上の場合は、2024年分の所得税に係る第1期分予定納税額(7月)から本人分に係る定額減税額に相当する金額(3万円)が控除される。また、納税者からの予定納税額の減額申請の手続きにより、第1期分予定納税額又は第2期分予定納税額について、同一生計配偶者等に係る定額減税額に相当する金額の控除の適用を受けることができる。

さらに、第1期分予定納税額から控除してもなお控除しきれない定額減税額相当部分の金額は、第2期分予定納税額から控除する。なお、上記の減額申請の手続きに係る措置に伴い、2024年分の第1期分予定納税額の納期を7月1日から9月30日までの期間(現行:同年7月1日から同月31日まで)とするとともに、同年6月30日の現況に係る予定納税額の減額の承認の申請期限を同年7月31日(同:同月15日)とすることとされている。

一方、事業所得者等で確定申告を行う納税者は、2024年分の確定申告の際に、定額減税を適用しないで算出した所得税額から定額減税額が控除される。給与所得者や年金受給者が不動産所得などの他の所得を有する場合等には、源泉徴収の段階で定額減税の適用を受けた上、確定申告で最終的な定額減税額との精算を行うこととなる。確定申告での定額減税額は、原則、2024年12月31日の現況による同一生計配偶者等の数を基に計算する。