2024-05-23
国税庁はこのほど、2023年9月28日付の「居住用の区分所有財産の評価について」(法令解釈通達)により定められた「居住用の区分所有財産の評価に関するQ&A」を取りまとめ公表した。この通達は、マンションの相続税評価額が実勢価格の平均4割程度にとどまることから、その評価額の低さを利用したマンション節税、いわゆる「タワマン節税」を抑止するため、評価額の新算定ルールを定めたもの。
Q&Aによると、新しい居住用の区分所有財産の評価方法が適用される不動産について、本通達が適用される「一室の区分所有権等」とは、一棟の区分所有建物に存する居住の用に供する専有部分一室に係る区分所有権及び敷地利用権をいい、この「一棟の区分所有建物」とは、区分所有者が存する家屋(「地階を除く階数が2以下のもの」等を除く)で、居住の用に供する専有部分のあるものをいう。
そして、この「区分所有者」とは、区分所有法に規定する建物の部分を目的とする所有権(区分所有権)を有する者をいうこととしており、この区分所有権は、一般に、不動産登記法に規定する区分建物の登記がされることによって外部にその意思が表示されて成立するとともにその取引がなされることを踏まえ、「一棟の区分所有建物」は、区分建物の登記がされたものに限られることとしている。
したがって、区分建物の登記をすることが可能な家屋であっても、課税時期において区分建物の登記がされていないもの、例えば、一棟所有の賃貸マンションなどは、本通達の適用対象とはならない。また、「居住の用に供する専有部分」における「居住の用」とは、一室の専有部分について、構造上、主として居住の用途に供することができるものをいい、例えば、事業用のテナント物件などは、本通達の適用対象とはならない。
なお、構造上、主として居住の用途に供することができるものであれば、課税時期において、現に事務所として使用している場合であっても、「居住の用」に供するものに該当することとなる。さらに、評価基本通達《たな卸商品等》に定めるたな卸商品等に該当するものも、本通達の適用対象とはならず、評価基本通達《たな卸商品等の評価》により評価することとなる。
「居住用の区分所有財産の評価に関するQ&A」は↓
https://www.nta.go.jp/law/joho-zeikaishaku/hyoka/231013/pdf/02.pdf