国税庁、日銀等と連携してキャッシュレス納税を推進

国税庁は、総務省や日本銀行などと連携して、インターネットなどを通じた「キャッシュレス納税」を推進するための協議会を設置する。5月30日には国税庁や日銀、総務省、日本税理士会連合会など23団体が共同で、国税・地方税キャッシュレス納付推進全国宣言を行い、同日、「国税・地方税のキャッシュレス納付共同レポート」を公表して、キャッシュレス納付のメリットや納付手段、利用推進に向けた取組みなどを紹介した。

共同レポートによると、国税当局では、納税者の利便性向上と現金管理等に伴う社会全体のコスト縮減のため、2025年度までにキャッシュレス納付割合4割を目指して、キャッシュレス納付の利用拡大に取り組んでいる。地方税当局においても、個人を取り巻くICT環境の変化等に対応するため、キャッシュレス納付手段の多様化や普及拡大を図るなど、各種施策に取り組んでいる。

現在、国税や地方税の納付は、金融機関や税務署、市町村等での窓口納付が大半を占めているが、キャッシュレス納付の更なる推進のためには、納税者にキャッシュレス納付のメリットやその利用方法を知ってもらうとともに、金融機関や税務署、市町村等が相互理解を深め、キャッシュレス納付推進活動をより活性化させる必要がある。このため、キャッシュレス納付に関する情報発信資料として、「共同レポート」を作成したとしている。

国税庁によると、2022年度の国税の納付件数は、「金融機関窓口」が2768万件で全体の57.1%を占め、次いで「キャッシュレス納付」が35.9%を占める1741万件、「コンビニ納付」が5.1%の246万件、「税務署窓口」が2.0%の95万件。件数ベースで全体の64.1%が金融機関などの窓口納付で、キャッシュレス納付は約36%だった。ちなみに、窓口納付の69.9%を法人が、税目別では50.9%を源泉所得税がそれぞれ占めている。

また、総務省によると、2022年度の地方税のキャッシュレス納付比率は約31%だった。固定資産税などの口座振替が活用しやすい税目はキャッシュレス納付比率が高く、法人住民税・法人事業税や個人住民税(特別徴収)は低い。キャッシュレス納付比率を税目別にみると、「固定資産税」が47.5%、次いで「個人事業税」が39.2%で続く一方、「法人住民税・法人事業税」は12.6%、「個人住民税(特別徴収)」は11.5%と低い。

国税・地方税のキャッシュレス納付共同レポートは↓
https://www.boj.or.jp/note_tfjgs/kokko/elec/ke_release/elec240530b.pdf