地域未来投資促進税制が7月31日にスタート

地域未来投資促進税制の前提となる「地域未来投資促進法案」は、今年の通常国会に提出され5月26日に成立(6月2日公布)していたが、施行日が、当初予想されていた8月1日より1日早い7月31日とされ、これに伴い地域未来投資促進税制がスタートした。同税制は、地域未来投資促進法を税制面から支援するために創設されたもので、税制の適用日は同法の施行日から2019年3月31日までとされていたことから、施行日が待たれていた。

地域経済は、企業収益や雇用が好調な一方、設備投資が力強さを欠くなど、課題も少なくない。そこで地域未来投資促進法によって、地域の特性を生かして高い付加価値を創出し、地域の事業者に対する経済的波及効果を及ぼすことにより、地域経済を牽引する事業(「地域経済牽引事業」)を促進し、地域の成長発展の基盤強化を図るため、事業者等が作成する当該事業に係る計画を承認し、計画に係る事業を支援する。

国が定めた基本方針に基づいて市町村及び都道府県が共同で、地域経済牽引事業の促進に関する基本計画を作成して国が同意し、地域経済牽引事業を行おうとする事業者等がこの基本計画に基づき、地域経済牽引事業計画を作成して都道府県等の承認を受けた場合、承認された事業計画に対する設備投資に対する税制措置や財政・金融面の支援措置、規制の特例措置等が受けられる。

設備投資に対する税制支援措置は、青色申告法人が同事業計画に基づき、特定地域中核事業等を新設し、同施設等を構成する機械装置、器具備品、その他附属設備並びに構築物を取得し、事業の用に供した場合は、取得価額100億円を限度に機械装置・器具備品について40%(建物等・構築物は20%)の特別償却又は4%(同2%)の税額控除が選択適用できるというもの。固定資産税等を減免した地方公共団体には減収が補てんされる。

ちなみに、地域経済牽引事業とは、「先端技術を活かした成長ものづくり分野」(医療機器、航空機等)や「第4次産業革命関連分野」(IoT、ビックデータ、AI等)、「食関連・地域商社」(農水産品の海外市場獲得等)などが該当する。具体的例として、経産省では、「飯田航空宇宙プロジェクト(長野県飯田市)」や「地域商社によるアジア圏への農水産物輸出支援事業(福岡県福岡市)」などを挙げている。