全青色、所得税の確定申告期限の延長を重点要望

全国青色申告会総連合(全青色:個人事業主を中心とする納税者団体である青色申告会の全国組織)がこのほど発表した2025年度税制改正要望意見においては、消費課税の要望として、昨年10月から消費税に適格請求書等保存方式(インボイス制度)が導入されたことを踏まえ、所得税の確定申告期限の延長を重点要望事項の一つとしたほか、インボイス制度の負担軽減措置の恒久化を求めた。

確定申告期限の延長は、インボイス制度の導入で小規模事業者を中心に消費税課税事業者が増え、所得税と消費税の両方の確定申告が必要な納税者が大幅に増加したことから、納税者の事務負担に配慮し、所得税と消費税の確定申告期限を3月31日に揃えるために要望した。また、インボイス制度の負担軽減措置の恒久化は、インボイス制度の導入で、インボイス発行事業者である小規模事業者の納税事務負担は大きく増加していることがある。

2023年度税制改正で、免税事業者がインボイス発行事業者の選択をした場合、売上にかかる消費税額の2割を納税額とする特例措置、及びインボイスが発行されない仕入れに係る仕入税額控除を80%まで認める経過措置が、2026年分の確定申告まで、また、1万円未満の少額取引は一定の帳簿のみの保存で仕入税額控除が2029年分の確定申告まで適用された。これらの小規模事業者に配慮した納税・事務負担軽減措置の恒久化を要望した。

重点要望項目では、そのほか、(1)青色事業専従者給与の支給にあっては、決算書に給与の内訳の記載があれば、その給与に関する届出があったものとみなすことや、(2)「消費税簡易課税制度選択届出書」の事前届出制を省略し、期限までに提出する消費税確定申告書において簡易課税制度の選択ができること、及び従来の2年継続適用を廃止すること、(3)税務行政にかかわる諸手続きの簡素・合理化、抜本的な見直し、などを掲げた。

個人所得課税では、青色事業主勤労所得控除制度の早期創設を要望。個人事業主は、伝統的な自営業者が減少する一方、給与所得者に類似した雇用的自営業者やフリーランスが増加するなど働き方の多様化も進んでいる。働き方の違いにより不利益が生じない公平な税制を構築するため、誠実な記帳と納税を実践し青色申告をおこなう個人事業主に対する、青色事業主勤労所得控除制度の早期創設を強く要望している。

2025年度税制改正要望意見は↓
https://www.zenaoirobr.jp/core_sys/images/others/pdf/youbouiken/2024th_youbouiken.pdf