課税売上高が1000万円以下でも選択で課税事業者に

消費税の課税事業者は、原則、基準期間の課税売上高が1000万円以上だが、1000万円以下の事業者であっても、選択により課税事業者となることもできる。この場合は、原則として課税事業者になろうとする課税期間の前の課税期間中に、納税地の所轄税務署長に「消費税課税事業者選択届出書」を提出することが必要となる。選択届出書を提出した場合、その選択をやめない限り、基準期間の課税売上高にかかわらず消費税の申告が必要となる。

この選択届出書を提出した事業者が、課税事業者をやめ免税事業者に戻ろうとする場合は、納税地の所轄税務署長に「消費税課税事業者選択不適用届出書」を、課税事業者をやめようとする課税期間の前の課税期間中に提出することが必要となる。ただし、下記に掲げる場合には、事業を廃止した場合を除き、それぞれの日以後でなければ不適用届出書を提出することができないので注意が必要だ。

それは、(1)(2)に該当しない場合には、選択届出書の提出があった日の属する課税期間の翌課税期間の初日から2年を経過する日の属する課税期間の初日。(2)は、選択届出書を提出し、その届出書の提出があった日の属する課税期間の翌課税期間の初日から2年を経過する日までの間に開始した各課税期間中に国内において調整対象固定資産の課税仕入れや調整対象固定資産に該当する課税貨物の保税地域からの引取りを行った場合だ。

この、「調整対象固定資産の仕入れ等」を行った場合には、その調整対象固定資産の仕入れ等の日の属する課税期間の初日から3年を経過する日の属する課税期間の初日以後でなければ不適用届出書を提出することができない(この特例が適用される場合、一定期間簡易課税制度を選択することもできない)。調整対象固定資産とは、棚卸資産以外の資産で、一の取引の単位の価額(消費税等相当額を除いた価額)が100万円以上のものをいう。