特定の事業用資産買換え特例適用には事前届出が必要

国税庁は、特定の事業用資産の買換えの特例の適用を受けるためには事前に届出が必要として注意を呼びかけている。同一年中に譲渡資産の譲渡と買換資産の取得をした場合に「特定の事業用資産の買換えの特例」の適用を受ける予定で、2024年4月1日以後に譲渡資産の譲渡と買換資産の取得の両方をする場合が対象となる。2024年3月31日以前に譲渡資産の譲渡や買換資産の取得をした場合は届出書の提出は不要だ。

特定の事業用資産の買換えの特例の適用に関する届出書は、届け出ようとする資産の譲渡の日(同日前に買換資産の取得(建設・製作を含む)をした場合(先行取得の場合)には、その資産の取得の日)を含む三月期間の末日の翌日から2ヵ月以内に提出する必要がある。例えば、譲渡の日が7月1日から9月30日までの場合は11月末日が、10月1日から12月31日の場合は翌年2月末日がそれぞれ提出期限となる。

提出期限内に届出書の提出がない場合は、この特例の適用を受けることができないので要注意だ。また、この届出書を提出した場合であっても、譲渡資産の譲渡と買換資産の取得を同一年中に行わなかった場合は、別途手続きが必要となる。買換え等の特例の適用を受ける場合に、買換(代替)資産の取得が譲渡の年の翌年以降となるときは、買換(代替)資産の明細書の提出手続きが必要となる。

対象となるのは、譲渡をした日の属する年の翌年中に買換資産の取得をする見込みであり、かつ、その取得の日の属する年の翌年12月31日までにその取得をした買換資産をその居住の用に供する見込みである場合や、収用等のあった日の属する年の翌年1月1日からその収用等のあった日以後2年を経過した日までの期間内に代替資産を取得する見込みである場合などだ。提出時期は、譲渡をした日の属する年分の確定申告期限までとなる。

なお、事業用資産の買換えの特例とは、個人が、事業の用に供している特定の地域内にある土地建物等(譲渡資産)を譲渡して、一定期間内に特定の地域内にある土地建物等の特定の資産(買換資産)を取得し、その取得の日から1年以内にその買換資産を事業の用に供したときは、一定の要件のもと、譲渡益の一部に対する課税を将来に繰り延べることができるというもの。ただし、譲渡益が非課税となるわけではない。

国税庁のパンフレットは↓
https://www.nta.go.jp/publication/pamph/joto-sanrin/0024005-147.pdf