国交省、住宅ローン減税の優遇措置の延長要望

国土交通省は2025年度税制改正要望を公表し、住まいの質の向上・無理のない負担での住宅の確保のため、(1)住宅ローン減税等に係る所要の措置、(2)老朽化マンションの再生等の円滑化のための組合による事業施行に係る特例措置の創設・拡充、(3)長寿命化に資する大規模修繕工事を行ったマンションに対する特例措置の延長、(4)買取再販で扱われる住宅の取得に係る特例措置の延長などを要望事項として掲げた。

まず、住宅ローン減税等について、2024年度与党税制改正大綱において「子育て世帯等に対する住宅ローン控除の拡充」、「子育て世帯等に対する住宅リフォーム税制の拡充」として示された措置を講じる。具体的には、子育て世帯等に対する住宅ローン控除の拡充は、借入限度額について、子育て支援の観点からの上乗せを行う。また、新築住宅の床面積要件について合計所得金額1000万円以下の者に限り40平方メートルに緩和する。

また、子育て世帯等に対する住宅リフォーム税制の拡充として、子育て世帯及び若者夫婦世帯が行う一定の子育て対応改修工事を対象に加える。「扶養控除等の見直し」と併せて行う子育て支援税制として、2025年度税制改正において検討し、結論を得る。ただし、上記の「子育て世帯等に対する住宅ローン控除の拡充や住宅リフォーム税制の拡充」は、現下の急激な住宅価格の上昇等の状況を踏まえ、2024年限りの措置として先行的に対応する。

次に、老朽化マンション等における区分所有関係の解消・再生のための仕組みに係る税制上の特例措置を創設・拡充する。区分所有法において、区分所有関係の解消・再生のための新たな仕組みが創設されることを見据え、マンション建替円滑化法において、これら新たな仕組みに対応した事業手続き(組合設立等)の創設を検討。老朽化マンションの再生等においては、費用負担の問題が区分所有者間の合意形成の最大の阻害要因となっている。

新たな事業手続きを活用した再生等を円滑に進めるためには、これらの事業実施のために設立される組合について、従来の組合と同様の費用負担軽減が必要となる。要望は、マンション建替円滑化法に新設する、「マンション取壊し敷地売却事業」(仮称)、「マンション更新(一棟リノベーション)事業」(仮称)等の円滑化のため、事業の施行者(組合)に係る特例措置(恒久措置)の創設を求める。

国交省の2025年度税制改正要望は↓
https://www.mlit.go.jp/page/content/001760257.pdf