2024-10-01
内閣府が公表した地方創生応援税制(企業版ふるさと納税)の2023年度寄附実績によると、同年度の寄附件数は1万4022件、その寄附金額は470億円で、前年度と比べ件数で約1.7倍、金額で約1.4倍となり、2022年度から引き続き大幅に増加した。企業版ふるさと納税は、企業が地域再生法の認定地方公共団体が実施する「まち・ひと・しごと創生寄附活用事業」に対して寄附を行った場合に税制上の優遇措置が受けられる。
増加要因としては、2020年度の税制改正で、これまで最大6割だった税の軽減効果を最大9割に引上げなど、地方創生の更なる充実・強化に向け地方への資金の流れを飛躍的に高める観点から、企業版ふるさと納税について、税額控除割合の引上げ・手続きの簡素化など大幅に見直したことがある。併用可能な国の補助金・交付金の範囲を拡大、認定手続きの簡素化などの制度の見直しにより、制度が企業に浸透してきたことも挙げられる。
また、寄附を行った企業数は前年度比約1.6倍の7680企業と7千企業を超えており、寄附活用団体数も1462地方公共団体と同約1.1倍に増えるなど、寄附税制の裾野の拡がりがうかがえる。寄附受入額が多い地方公共団体をみると、トップは前年度3位の「宮城県」の25億7950万円、以下、「宮城県仙台市」24億400万円、「石川県」23億860万円、「静岡県裾野市」22億5170万円と続く。
寄附を活用した事業の分野別実績額をみると、「しごと創生」(地域産業振興、観光振興、農林水産振興、ローカルイノベーション、人材の育成・確保等)が214億900万円で最多、次いで、「まちづくり」(小さな拠点、コンパクトシティ)が181億5870万円、「地方への人の流れ」(移住・定住の促進、生涯活躍のまち等)が45億830万円、「働き方改革」(少子化対策、働き方改革等)が29億2270万円と続く。
なお、企業版ふるさと納税は2024年度で適用期限が切れるため、内閣府は、デジタル田園都市国家構想の実現及び地方創生の更なる充実・強化に向け、地方への資金の流れを一層高めるとともに、その流れを継続的なものとする観点から、税の軽減効果(寄附額の最大約9割)を維持した上で、2024年度までとなっている税額控除の特例措置を5年間(2029年度まで)延長することを要望している。
この件については↓
https://www.chisou.go.jp/tiiki/tiikisaisei/pdf/R05_keinen_zisseki.pdf