2024-11-08
令和6年6月以降、物価上昇に伴う国民の経済的負担を軽減するために定額減税が実施されている。この制度では、納税者本人および配偶者・扶養親族1人につき、所得税3万円、住民税1万円の合計4万円が、給与や賞与から減税される。
6月以降に支払われる給与や賞与から控除する月次減税で控除しきれない金額は、年末調整で精算することとなっており、ここでも控除しきれない金額は「控除外税」とされて、令和7年に実施される「調整給付」の対象となる。
「調整給付」が適切に行われるためには、年末調整後に作成する源泉徴収票の「摘要欄」に定額減税を実施した内容を正確に記載する必要がある。
例えば、年調減税額が90,000円、実際に控除した年調減税額が80,000円、控除しきれなかった金額が10,000円の場合は「源泉徴収時所得税減税控除済額80,000円、控除外額10,000円」と記載する。控除しきれなかった金額がない場合は、「控除外額0円」と記載する。
なお、次に該当する場合は年末調整の対象とはならず、令和6年分の確定申告において最終的な特別控除の額を計算の上、納付すべき又は還付される所得税の金額を精算することになる。
1 主たる給与の支払者からの給与収入が2,000万円を超えるとき
2 年の途中で退職し、給与等に係る源泉徴収について特別控除の額の控除が行われていない(又は控除しきれない額がある)とき
3 年末調整において、所得税額から特別控除の額を控除した際、控除しきれない額が生じる場合(特別控除の額が所得税額を上回る場合)において、次に該当するとき
・ 給与所得以外の所得があるとき
・ 退職所得に係る源泉徴収税額があるとき
・ 2か所以上から給与の支払を受けているとき
控除しきれない金額がある場合は調整給付の対象となるが、必ずしも控除外額が給付されるわけではない。自治体によっては独自の制度を設けている場合もある。
調整給付金を受け取るためには、自治体から送付される確認書類に基づいて手続きを行う必要があり、書類を受け取ったら、振込口座の情報や本人確認書類のコピーなどを添付して返送することが求められる。なお、確認書の申請期限は自治体ごとに異なる。
(参考) 国税庁ホームページ「定額減税特設サイト」