2024-11-22
札幌国税局は、令和6年11月15日に「非居住者・外国法人が日本国内にある不動産を取引した際の税金について」のリーフレットを公表した。
このリーフレットでは、非居住者や外国法人が日本国内にある不動産（土地、建物、コンドミニアム、宿泊施設等）を取引した際に課される税金について解説している。
非居住者・外国法人（売主）が日本国内にある不動産を売却した場合
【買主】
日本国内にある不動産を非居住者・外国法人から購入した買主は、原則、購入対価を国内で支払いする時に10.21％の源泉徴収を行う義務がある。ここでリーフレットの内容を補足するが、個人（買主）が自己またはその親族の居住の用に供するために土地等を購入した場合であって、その土地等の譲渡対価が1億円以下である場合には源泉徴収をする必要はない。
【売主】
日本国内にある不動産の売却による所得は国内源泉所得に該当する。そのため、売主である非居住者・外国法人は日本で確定申告する必要がある。申告期限は、非居住者は翌年3月15日、外国法人は決算期末から2か月以内とされている。
なお、売却時に源泉徴収された税額は、確定申告の際に差し引くことができる。また、一定の場合には消費税及び地方消費税の申告が必要になる。
リーフレットでは、納税管理人に関する注意事項も解説されている。非居住者または外国法人が申告や源泉徴収を行う場合、法令により納税管理人を選任し、速やかに「納税管理人の届出書」を管轄の税務署に提出する必要がある。また、外国法人の場合は、「外国普通法人となった旨の届出書」の提出も必要となるため、注意が必要である。
税務当局が納税者に対して納税管理人の指定を要請しても届出が無い場合は、当局が一定の者を納税管理人に指定することが可能となっている。確定申告事務や納税などの処理を円滑に進めるためには、納税者自身が早期に納税管理人を選任することが望ましいだろう。
（参考）非居住者・外国法人が日本国内にある不動産を取引した際の税金について
https://www.nta.go.jp/about/organization/sapporo/hikyoju_gaikoku/pdf/01.pdf
（参考）所得税・消費税の納税管理人の選任届出又は解任届出手続
https://www.nta.go.jp/taxes/tetsuzuki/shinsei/annai/shinkoku/annai/07.htm
