令和7年度税制改正大綱解説【法人税】②

外国子会社合算税制の見直しについて(1)背景、(2)内容、(3)適用時期は以下のとおりである。
 
(1)背景
外国子会社合算税制については、国際的ルールにおいてもグローバル・ミニマム課税(「第2の柱」)と併存するものとされており、「第2の柱」の導入以降も、外国子会社を通じた租税回避を抑制するための措置としてその重要性は変わらない。他方、「第2の柱」の導入により対象企業に追加的な事務負担が生じること等を踏まえ、見直しが行われる。
 
(2)内容
①合算時期の変更
内国法人に係る外国関係会社の各事業年度に係る課税対象金額等に相当する金額は、その内国法人の収益の額とみなして、その事業年度終了の日の翌日から4月(現行:2月)を経過する日を含むその内国法人の各事業年度の所得の金額の計算上、益金の額に算入する。
 
②申告書に添付又は保存をすることとされている外国関係会社に関する書類の一部除外
租税負担割合が20%未満等一定の外国関係会社に関しては下記書類を申告書に添付又は保存する必要があったが、除外されることとなった。
・株主資本等変動計算書及び損益金の処分に関する計算書
・貸借対照表及び損益計算書に係る勘定科目内訳明細書
 
(3)適用時期
令和7年4月1日以後に開始する事業年度に係る外国関係会社の課税対象金額等(その外国関係会社の同年2月1日以後に終了する事業年度に係るものに限る。)について適用する。
 
なお、令和7年4月1日前に開始した事業年度に係る外国関係会社の課税対象金額等(その外国関係会社の令和6年12月1日から令和7年1月31日までの間に終了する事業年度に係るものに限る。)について、その外国関係会社の事業年度終了の日の翌日から4月を経過する日を含むその内国法人の同年4月1日以後に開始する事業年度において外国子会社合算税制の適用を受けることができる経過措置を講ずることとされている。
 
そのため、進行期である令和7年3月期において、外国子会社が12月決算であるような場合には益金の額に算入しないことも選択できる。