令和7年度税制改正大綱解説【消費税】

外国人旅行者向け免税制度の見直しについて(1)背景、(2)内容、(3)適用時期は以下のとおりである。
 
(1)背景
消費税の外国人旅行者向け免税制度については、不正利用を排除し、免税店が不正の排除のために負担を負うことのない制度とするため、出国時に持ち出しが確認された場合に免税販売が成立する制度とし、確認後に免税店から外国人旅行者に消費税相当額を返金するリファンド方式に見直す。また、事務負担軽減の観点から、一般物品と消耗品の区分や消耗品の購入上限額及び特殊包装を廃止するとともに、免税店が販売する際に「通常生活の用に供するもの」であるか否かの判断を不要とする等の措置を講ずる。
 
(2)内容
①免税方式(リファンド方式)
輸出物品販売場を経営する事業者が、免税購入対象者に対して免税対象物品を譲渡した場合(消費税相当額を含めた価格で販売)であって、その免税購入対象者がその購入した日から90日以内に出港地の税関長による確認を受けたときは、その確認をした旨の情報を、輸出物品販売場を経営する事業者において保存することを要件として、その免税対象物品の譲渡について、消費税を免除する(事業者から免税購入対象者に対して、消費税相当額が返金される)。なお、購入記録は、国税庁の免税販売管理システムを通じて行われる。
これに伴い、輸出物品販売場の許可も、適切に購入記録情報及び税関からの確認情報を授受できることが要件となる。
 
②免税対象物品の範囲の見直し
・消耗品について免税購入対象者の同一店舗一日当たりの購入上限額(50万円)及び特殊包装を廃止するとともに、一般物品と消耗品の区分を廃止する。
・免税販売の対象外とされている通常生活の用に供しないものの要件を廃止するとともに、金地金等の不正の目的で購入されるおそれが高い物品については、免税販売の対象外とされる物品として個別に定める仕組みとする。
 
③免税販売手続きの見直し
100万円(税抜き)以上の免税対象物品については、購入記録情報の送信事項にその免税対象物品を特定するための情報(シリアルナンバー等)を加える。
 
(3)適用時期
令和8年11月1日
なお、輸出物品販売場で購入した免税対象物品を別途国外へ配送する、いわゆる「別送」は令和7年3月31日をもって廃止される。